Previously, mari's paris life


"La France traverse une phase de vulgarite. Paris, centre et rayonnement de betise universelle" - C. Baudelaire :p
時々ベビーシッター
週に二回程、習字のお稽古がない時にだけ、夕方5時に、姪っ子を迎えに行くという、ベビーシッターをしている。なんでも契約、紙社会のフランス、それはベビシッターさんとも然りで、しっかり夕方5時以降は超過料金が発生するそうだ。


電車、RER、バス… すべての交通機関を乗り継いで、彼の地ヴェルサイユのまだ先まで毎朝一時間かけて通勤している妹夫婦。ちょっとでも会議が延びたりすると、5時なんて無理!それはよく分かる。ということで、姪っ子大好き、期間限定でちょっと暇なおねえちゃん(私である)の、出番登場〜 バイト代こそもらわないものの、妹の帰宅後には、ちゃっかりビールに預かって、報酬としている…。そしてまた、健気に今度は自宅へと帰るのだ。偉いでしょ?ね?ね?



9月に入り、なぜかとても快晴の日が続いているパリ。けれど、こんな天気の方が稀なのであって、全体的にはいつも天気が悪い。それがフランス(きっと南は除く、行ったことないからw)。なので、天気がいい時こそ人生を謳歌しなくては!大人はカフェのテラスに、子どもは公園に。少しでも日光を浴びて、肌を灼こう!お日様に当たろう!そんなスローガンが見えてくる程、天気のいい時は貴重なのだ。


というわけで、天気のいい日の午後、姪っ子はベビシッターさん宅でなく、決まって近くの公園にいることが多い。この日も夕方5時に迎えに行くと、いたいた、いつもの、真ん中の砂場で。遊んでいる。この日、運悪く、妹の家の鍵を忘れてきてしまったことに、メトロの中で気付き、引き返すに引き返せない距離までもう来ていた私は、発想を変えて、『まぁー、いっかー!6時にはアントワーヌ帰ってくるし』と、いつもより一時間延長して、そのまま公園で遊ばせることにした。その方が、本人も嬉しいだろうし、疲れるからぐっすり眠って大人(両親)もハッピーである。


ここのところ、迎えに行く度に砂場で遊んでいるが、よほどお砂場遊びが楽しいのか、砂場から引き離すと、泣く、泣く…!私が迎えに来ると、『あっ… これはもう、お迎えの時間ね、家に帰る時間なのね。イヤよ、帰りたくないわ、エミ、まだここで遊んでいたい!』と、小さい頭の中で計算が走るらしく、この日は姪っ子、私の顔を見るもいきなり、反対方向へと走り去る! 私も慌てて追いかけ、なんとか一件落着。ほら、今日はまだ遊んでていいからね、そんな風に話しかける。






この公園に来るのも、もう数回目だが、初めてきた時はもとより、何度来ても、入る度にその多国籍度にびっくりだ。というのも、まぁマレなんかのこじゃれた地区の公園だったら、同じような公園でも、『両親共に管理職、おっきな会社のマーケティングディレクターです!』みたいな、言わば裕福層の子ども達でわんさか…。先週の土曜日、たまたま散歩の途中、まさにこんな感じの公園に立ち寄ったら、今時珍しいくらい、そこは混じりっけないフランスだったので、彼と二人、しばし呆然、絶句。驚いたのだ。



確かに、マレなんて地区の地価から、家族全員、揃って住めるようなアパートが買える両親というのは、限られている。それにしても、一体いつ頃から、よっぽど恵まれた人、もしくは、両親からアパートを譲り受けた人、リッチな両親の子… という具合に、決まった人しか住めないようになってきているのだ、パリ市内は。前は、こんなことなかった、と、とある人が言っていた。

同僚も、ある時耳をすましたら、聞こえてきた会話は「両親共働きで、月6000ユーロの収入があっても、市内に家族全員でアパート暮らしするのは無理よね」、であった。それが、現実。差別ではないけど、ちゃんとした区別、線引きがある。こんな時、なくなったはずの階級社会を思う。階級社会はなくなってなんかいない。ちゃんと区別として、存在している。



この15区の公園が悪いなどと言う気は毛頭ない。妹夫婦だって、二人とも管理職だし、私の尊敬する人は、最近、「妹」なぐらいだw 公園の、芝生の上には寝転がって、宿題をしているのだろうか、高校生のグループ。あっちのベンチには、陽気におしゃべりしている、モロッコからのお姉ちゃん達。垣根から突如飛び出してきた子ども軍団に、幼い中国人兄妹の姿が。話しているのはてっきりフランス語だと思って、思わず耳をすませると、聞こえてきたのは中国語。学校に入ってから、フランス語を喋り出すのだろうか?てっきりこちらで生まれた子の場合、兄妹同士なら特にフランス語かと思ったが…。家では親が中国語で話しかけるのだろうか。想像を張り巡らす。



公園の中央付近にある、滑り台と、その下にある砂場。大体、姪っ子はそこにいる。周辺のベンチは、同じように子どもあやす、母親と、ベビシッターでいっぱいだ。姪っ子のシッターさんもそうだけど、チュニジアの人で、彼女のように、ヴェールを被ったシッターさんもいっぱい見る。アフリカ系のタフなおばちゃんが、白人の子を抱いているのも見た。この公園にだけでも、フランスの縮図が詰まっている、来る度、そう思うのだ。そして私たちも、こうして少しずつ、根を下ろして、多国籍度に色を添える一部…。



姪っ子のベビーシッターさんは、いかにも子どもが大好きと言わんばかり、溢れんばかりの笑顔で、毎回姉である私のことも暖かく迎えてくれる。この日、鍵を忘れてきてしまったので、事情を説明して、「このまま一時間、まだここで遊ばせておきます」と言った私に、『じゃあここからはもう私の管轄じゃないから、責任じゃないから』と暗黙の了解を迫るような、鋭いまなざしで、彼女は言う。「じゃあバトンタッチ、交代ね!よく見張っててちょうだい」。その通り、歩けるようになってから、そのことが嬉しいのか、ここ最近の姪っ子はさらにすばしっこく、終始見張っていないと不安になる程、あっという間にどこかへ行ってしまうから。




私も近くの岩場に座り、終始観察、スタート。時折、砂場に落ちていた枯れ葉を取って、私のところへ持ってきてくれる。「ありがとう」、そう言ってもらうのが決まり。栗だって落ちていた。すかさず見つけて持ってきては、声になるかならないかの小さな声で、聞こえてきたのは"Regarde…(見て)"、フランス語だった。仕方がない。でも、「おねんね」は「ねんねー」と言っているし、"Dodo"ではないんだよなー。不思議。


ちなみに赤ちゃん言葉で、私のような伯母のことを、"Tata"または "Tati"と呼ぶが、姪っ子も例に漏れなく私の顔を見れば、「たたー!」と叫んでいる。かわいい。(姪馬鹿)ドロテも姪っ子に、"Tati Doti"と呼ばれていると言っていた。たまにストラスブールに帰ると、遊んで遊んでーと激しいらしい。かわいい。




私と妹は、同じ日本人で、幼い頃から幾度となく双子に間違えられ、相当似てるといっていいと思う。それなのに、赤ん坊からしたら、私という存在は、どのように捉えているのだろうか?赤ん坊には、血縁関係なんかを理解する前に、『この人は私にとって優しい、安全だ』、という、言わば本能的な何か勘で感じているのではないか…。ある程度大きくなれば、母親に「この人は親戚のおじさんよ」と言われれば、血縁関係を理解し、礼儀正しく振る舞うことが出来るものの、赤ん坊の場合、そんな理屈は抜きにして、『この人は絶対的に私に優しい』と理解しているような気がする。まぁそれは、ひとえに私が、「忘れられたら大変だっ!」と、忙しい合間を縫って、毎週せっせと会いに行っていた努力によるんですけど フフフ



砂場で姪っ子は、他の子が遊んでるおもちゃを奪っては、我が物顔で遊んでいるので、伯母(しかも日本人の伯母)としては放っておけず、おもちゃを奪われた子に「ごめんねー」と謝る始末。一人の男の子(分厚い眼鏡をかけていた)なんかは泣き出しちゃって、私もうろたえる。すると、近くでスマフォを見ていたこの子のパパらしき男性が駆けつけて、「○○!おもちゃいっぱい持ってるんだから、一つぐらい貸してあげたっていいだろう!相手は赤ちゃんだぞ」って諭している。その後姪っ子は、髪が短いせいか、ズボンだったせいなのか、このパパに「なっ、坊主。いや、女の子かな」と男の子に間違えられる事件があって、笑った。


自分よりもっと大きな子が相手でも、臆せず、先の丸くなったスコップを握りしめて、立ち向かって行く姪っ子…。『ダメ、その水を入れた奥の砂場に入っていかないで!(後が大変だから!)』と思う人の気も知れず、すると姪っ子を制してくれたのは、姪よりも少し大きな男の子だった。「ダメ!これ以上入るな、行っちゃだめ」。つたないフランス語で制す。この子よりもっと大きな女の子たちは、あちこち砂場の上を走り回って、こんな子たちに比べれば、姪っ子はまだほんの赤ちゃん、足下もおぼつかず、なのに、大きな女の子たちは、まるで『赤ちゃんには気をつけて』と言わんばかりに、ひらりと姪っ子を避けて、走り回る。暗黙のルールがあるみたいに。



何っていうのだろう、足下がバネになって、乗ると、前後左右にぶんぶん振れる乗り物のおもちゃ。私も小さい頃、これに乗った人の近くにいて、揺れた胴体がこっちにぶつかってこないか、心配だった。もしくは、やっと誰かに載せてもらった頃、今度は下りれなくなくって、仕方なく空いてる前から出ようとするも、高くて足がつかない。怖い。出られない。すると、誰か大人、もしくは自分より大きい子に助けてもらう。妹だったりもした。そんな光景を覚えている。


あんな狭そうな滑り台の下の隠れルートだって、少し前まではひらりと入り、通り抜けていたのに、地面に突いていた自分の腕だって、細かった。そんな時は、もうとっくに随分昔のことになったみたいだ。遠い記憶に思いを馳せる。あの時だって、公園には子ども同士、暗黙のルールがあった。こういう風にして、一見全然関係がなさそうなことからでも、子どもは自然とルール、社会のルールを学ぶような気がする。



それから私が子どもの頃、砂場って、なんか苦手だった。砂が手にまとわりつく感じ、靴の中にひっきりなしに入ってくるあの感じ…。出したと思っても、その日お風呂では、まだ靴下に張り付いているような、よく覚えている。大人になった今、私はまた、砂場にいる。今日もまた、バレエシューズの中に際限なく砂が入り込む。私は出来るだけ出したい。でも、そんなのも悪くないかな、と思う。辺りを見ると、みんな仕事帰りに子ども迎えに来たわよーって、かっこいい働くママでいっぱいだ。サングラスもして、同じママ友達とのおしゃべりに夢中なママだっている。そんなママの子どもは、もう終始見張ってなくても大きいの?と思ったり。その隣には、綺麗な中国人のママ。さっき、女の子二人と、少しだけ高くなった岩場から、砂場へとジャンプして遊んでいた男の子のママだった。私ぐらいの若い子でも、ベビーシッターをしているのだろうか。子ども連れで来ている子が多い。



さぁ、そろそろ帰ろう。そろそろアントワーヌが帰ってくるはず。だっこ紐を掛け、そう言うと、姪っ子はやはりぐずる。帰りたくないらしい。真っ赤な顔をして、一生懸命に泣きはらす様子を見ると、なんだかすごく悪いことをしたような気になるが、まだ別の子をあやしていたベビシッターさんに、「そんな時はきつく言って!泣かなくてもいいって。今日はいつもより一時間も多く遊べたでしょ、って」ときりりと言われたので、私も同じようにする。赤い、額を撫でながら、落ち着かせるように。



こんな公園、ひいてはフランスで育つ姪っ子が、近い将来どんな言葉をしゃべり、どんな視野の持ち主になるのか、今から楽しみである。日本とフランスの血を引き、今のところフランスで生きる。ゆっくりでいいから、大きくなって。そして伯母ちゃんのことを、忘れないで。まわりには「そろそろ従兄弟が必要ね… (キラーン)」と釘を刺されたりもするが、そんな日もいつか来よう!うむ。暖かく見守って下さい。



mari

















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すべて、自然淘汰
 
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Tokyo, Kyoto, Osaka, Kobe, Home, Hiroshima

Japan, August 2014

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夏が近付いてくる

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グレーの曇り空から一転、急に真夏の太陽が顔を出したかと思えば、午後にはどしゃ降りの雷雨になったりして、こうして少しずつ、夏に近付いて行く。

今年もロゼの季節がやって来ました!これは日曜日の出来事。妹の家で、朝、マルシェで大きな鯛を買ったから、お姉ちゃんもどうぞと呼ばれた。(鯛、ふっわふわで美味しかった!ありがとー! こうして時々ご馳走になっている姉である。)マルシェでお魚買うとか、これぞフランスに住んでる、って感じね。




またも、しばらく間が空いてごめんなさい。バタバタして、なかなか時間が取れなかった。。私は元気ですので、ご心配なく。仕事に習字にと、相変わらず忙しくしております。いつものリズム。


そしてまた、なんだか毎年の恒例行事みたいだけど、実はまた引っ越しすることになり、アパート探しに翻弄…。なんとかいいところに決まりそうだけど、そうスムーズに行かないのがおフランスでの生活なのであって、最後まで警戒中。警戒モード、崩さず。これも今回、学んだこと。Il faut se mefier. 疑ってかかる、とでも訳そうか。フランスで生活していくには、本当に大事なキーワードだ。アティチュードとも言える。





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4月のとある週末の夜、これまた妹宅でごはんを食べている時に、突然プレゼントされた、30歳の誕生日プレゼント。セリーヌだなんて!!びっくりして感激しちゃった。妹よ、ほんとにほんとにありがとう。もちろんぽむくんも。この日のバッグの中は、こんな感じでした。鍵とお財布とメトロのカードだけ持って、ノーメイクでやって来た(笑)。







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それから直近の出来事としましては、クリスマスにプレゼントされていたのだけど、バレエの公演へ。行って参りました。舞台もさることながら、何が素晴らしかったかってガルニエ宮!
10年ぶりに会えた、シャガールの天井。見たのはピナ・バウシュ振り付けの、ギリシャ神話「オルフェとエウリディーチェ」。



ピナ・バウシュ、実はこれもまた10年前に、ドイツの本場ヴッパータールで、一度「コンタクトホーフ」をダンス好きの友達と見たことがあったものの、今思えば、10年前の私は全然感性が育っておらず、彼女の世界観を理解出来る能力が全然なかったのだな、と、今回しみじみと分かった。「オルフェとエウリディーチェ」は素晴らしかったです。幕が閉まる前、いつもうっとりとするような、詩的な余韻を残して、赤い幕が閉まる。まるで意味があるのかないのか、様々な抽象的オブジェに、いつ見ても感嘆としてしまう、しなやかで、かつ筋肉で詰まった、ダンサーの身体。ジャンプしても、まるで軽い羽のようにぽんっと着地する。



私と彼では、見る点が違って、その後のおしゃべりでも違いが露わに出て、面白かったです。彼はギリシャ神話好きなのでw、「男性プランシパルの表情が、悲劇の割には悲しみが足りなかったと思う!」とご立腹していたけれど(さすが!X’D)、私はお話よりも、昔ちょおおっとだけバレエを習っていたこともあり、テクニック面注視。惚れ惚れしてしまう。ね、全然観点が違うでしょ。







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なんだか思い返してばっかりで、もうおばぁちゃんなんじゃないのwって感じだけど、4月には近場への小旅行ということで、シャルトルへ行ったんだった。街に近付くと、この景色。飛び込んでくるのは、かの大聖堂。突出した大きさがあまりにも印象的で、キリスト教の勢いを知るっていうか、感慨深かったです。その後ちゃんと、塔の上まで登った。徒歩で。高所恐怖症なのに…….。



そしてまた歩いて塔を下りて、大聖堂の前のベンチで休憩していると、なんと彼の上司&奥さんに遭遇!!X'D



土曜日の午後に、近郊都市シャルトルで、上司夫妻(それも直属の!)に遭遇するって、一体どんな確率でしょうか……(笑)。もうおっかしくてその後しばらく、ずっと笑ったぜい。X'D









去年の夏に三週間、フルでバカンスを取らなかったこともあり、今年なんと、まだ5日も有給が残っていることが判明したのは、年明けの頃だったでしょうか...

ということで、私の仕事的に、なかなか長期で休むのは難しいんだけど(なんせ一人チームだからね)、5月は毎年、何かしら祝日がある、連休になる、休みが取りやすい(有給減らさなくて済む)イコール、バカンスに出かける人が多い、ということで、私もあさって水曜日から、トルコに行ってきます。イスタンブール!

お父さんに、「なんかまるで旅行の合間に仕事してるような感じだのう...」って言われましたが、まぁ気にせず☆(ちゃんと働いてる上での旅行だもん!



初めてのイスタンブール、期待大!楽しみ!!いつか絶対行きたいと思っていたトルコ!嬉しいー。カメラ持って行くのでいい写真が撮れるといいな。イスタンブールに行って一日休んだ後は、今度は西へ、スペインへ行きます…。お父様と、バルセロナ。もうすぐ姪っ子が一才になるので、お父様、しばしご来仏〜。



こんなに移動するのも珍しいけど、続く時は続くもんだ。こんなに遊んでばっかいて(え?)、いつ引っ越しするのって感じだけど、それにはちゃんと時間を見つけるとして… ではまた!




mari

























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ぼや騒ぎ
3月のことだけど、記憶に残ったので書いておく。




とある日曜日、0時頃。『また明日も仕事だな… そろそろ寝るか』とベッドの上でストレッチをしていた頃。

建物の階段を、何度もバタバタと往復して、走り回っている音がする。『何…?騒がしいな。忘れ物でもしたのかな。でもこんな時間に?それとも泥棒?』と思っていると、そのうちなんと私のドアのベルが鳴る!


パジャマだし、びっくりして、ベッドの上から動かずに、そのまま「誰〜?何ですかー?」と叫ぶと、声が聞こえたようで、ドアの向こうから、「こないだ会った四階の○○ですけど…。なんか何かが燃えてるような匂いがして、ここからですか?」と言うではないか!!



びっくりして、慌ててドアを開けると、確かにこないだ、三階でフランスで生きていく上での定番、「ザ 水漏れ」があり、数日間断水があったのだけど、その時会った女の子。四階も断水になって、大変だったらしい。しかも借り主でなく、持ち主だから、組合の会議に出ないといけないけど、仕事だから出られないと言っていた。(『えー、それは仕事休んででも出た方がいいのでは…』と内心思う私)



「なんかどこからか焦げ臭い匂いがして…。絶対どこか燃えてると思うんだ。前に二回、まだ別のアパートに住んでた時もこんな匂いがして、二回ともぼやだった。だから絶対に!安心して眠れないの」って嘘でしょー?!


「えっ、えっ。私さっきドライヤーで髪乾かしたけど、私のドライヤー古くって、使った後ちょっと焦げ臭い匂いするけど、そのせいかな?!」となぜかとんちんかんな回答をする私。(今思ってもおかしいだろう…)


その子も私の回答に『えっ、いやドライヤーなんかじゃないでしょう、絶対に焦げ臭い匂いがするんだってば』という戸惑いを隠せないようだったが、ほんとにぼやなら大変だ!!と、「そう、じゃあここじゃないのね」と言って、パジャマでまたも走り回る!


「管理人さんのところにも行ったけど、いなくて。まったくどうなってんのかしら、絶対どっかで燃えてると思うのよ」って本当にどこかで燃えてたら大変だ!!私もそわそわ、万が一のことを考える。



「ちょっと通りに出て、外から建物見てくるわ!何か分かるかもしれない。上の階かもしれないし」と、その子は急ぎ足で出て行ってしまった。私も窓を開け、その様子を見守る。


「どう?!何か燃えてた?!」「うーん… 5階でね、何か黄色い、赤い光が見えるんだけど… 照明だといいわね、分かんない」ってオーーイ!!この建物の5階かい?!



もしほんとに火事になったら… てか5階の人は家にいるのか?!留守中に燃えているのか?!5階から1階まで火が回ってくるのは、あっという間ではないのか?!といろいろなことを考えるも、いまいち確証がなく、二人ともどうしたものか… とそのまま踊り場で右往左往していると。



私と同じ、一階の、正面の部屋に住む男、長身がふらりと帰ってきた。その子が状況を説明すると、

「えっ… ちょっとうちかもしんないから、一応確認してくる」と言うではないか。まさか正面で燃えてるの?!てか心辺りがあるんかーーい 煙草の火の始末はちゃんとしろー、ちゃんとしてくれーーと呆然としていると、「違う。うちじゃなかった。何も燃えてない。大丈夫」と言ってすぐに出てきたので、ほっ!


『じゃあ一体どこから…』と、三人で頭をかしげていると、またも私のお隣に住む、アフリカ系の美女が帰ってきた。


とっさに状況を理解した彼女は、「あぁ火事ね、ほんとにあるけどここじゃないよ!この先の通り!ほんとに燃えてる。上の階から火が出て、もうアパートめちゃめちゃ。どろどろ溶けてる。消防士も来てるし、道路も通行止めになってるよ。そのせいで車だから、彼がここまで送って来れなかったの。でも、ここじゃないよ!!」(と強調して言う)


やっぱりーー!! でも別の通りか。。とにかく建物の中でなくてよかった。。火事のあったアパートに住む人々が、何もなかったことを祈ります。。が。


火事って怖いねー!!ぼやって怖い。その子の咄嗟に感じ取った嗅覚に感謝、感動!

その夜特に、風が吹いていたので、その風が近くのひのこを飛ばしてきたんだろうな。




「よかった!どこか分かって安心したね。ここじゃないって!」と四人、顔を合わせて、「ではおやすみなさい。Bonne soiree」と言ってそれぞれ家に帰った。どんなに遅い時間でも、Bonne soireeと言う。w

その力合わせ、一緒にバタバタとする様子が、なんだか日本でマンションに住んでいる時には見られないような、心温まる一幕だったので、まるで映画みたいだな、と思う。こんな風にお隣さんと協力し合い、困った時はお互い様。




フランスですごくいいなと思うことの一つに、すれ違う人、会う人に必ず挨拶する、挨拶はすごく大事な習慣、ということがあるのだけど、同じ建物に住むお隣さん、ご近所さんとも、すれ違えば必ず"Bonjour"と挨拶し、顔を合わせる。


そうすることで、大体ここにはこんな人が住んでるな、と把握することが出来るし、断水の時も、「シャワーも浴びれない。洗い物も出来ない」と非常に気の毒だったので、さすがにシャワーは無理でも、洗面器に水を溜めて往復する様子があまりにも不憫だったので、「もしよければうちにも水取りに来て下さい!一階だから、完全に外に行くよりは少しましだろうし」と、私も声を掛けたのだ。


同じアパートに暮らすというのは、助け合いで、もちろんパリだって大都会なわけで、たまたま私の住んでる地区や、アパートがいい人に恵まれた、こうして困った際、気軽に声をかける精神が出来ている、そんな偶然かもしれないけれど、その温かなつながりに、こちらまで心温まる。


一時はほんとにぼやかも、と恐怖に身構えたけど、無事火元が分かり、安心して眠ることが出来た。みんな同時に、「ではおやすみなさい」と言って部屋へ帰った。4階の子は上へと上がった。普段そんなに顔を合わすことはなくても、こんな隣人が住んでいて、いざとなれば助け合うことが出来る。Solidarite。いろいろなシーンによって使われる言葉で、社会的・政治的な意味合いだと必ずしも好きではないニュアンスもあるけど、この瞬間、まさにこの言葉を思った。それからまるで、film italien。(バタバタと騒がしく、賑やかな日常の様子を表す)


ぱたん。ドアの閉まる音。おやすみなさい。安堵に包まれて、日曜の夜が更けていく。


mari











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猫のいる生活、再び。
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またも習字の先生の猫ちゃん、はなちゃんがうちに来ています。やっと1歳になった様子。3月も一週間お預かりして、4月は二週間。とってもよい子で私も嬉しい。


夜になると暴れ回るので、こちらも寝れず、始めは辛かったけど、きっと日中ずっとアパートの中にいるせいで、退屈して、運動が足りないんだな!と思って、おとといお昼休みに、近くのカルフールで猫じゃらしを買って帰って、それから20分ぐらい縦に横にと遊んであげると「ぜぇぜぇ、はぁはぁ…..」と疲れている!!XD

こんな姿初めて見た。それ以来、おかげで夜ぐっすり寝てくれるようになりました(笑)。


はなちゃんはとっても甘えん坊で、寝る時も私の上で寝ようとしたり、腕枕で寝ようとするのでかわいい!!(すいません、親バカで…..。おかげでiPhoneのアルバムの中、えみちゃん(姪っ子)もしくははなちゃん(猫)の写真しかないです、最近。w)


今回は連れて来る前にちゃんと爪も切ってもらったので、猫パンチされても平気だぜーい。ふわふわの手が飛んできて、気持ちいいくらい。





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『なんか今日は急に運動させられたらから疲れたな…』と言って、ソファーの下に身を隠して休む、はなさん。前足が丸いのがまたかわいいんだよね!!





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私は二階(フランスで言う1階)に住んでるんだけど、こんな風に一応庭向きの部屋で、おかげで夜静か。よく眠れて有り難いです。前は賑やかな通り沿い+すぐ下にカフェがある+みんな飲んだくれる=超うるさい!で、ものすごーーくうるさかったので。まぁ住んでたらそのうちに慣れましたが。。慣れって恐ろしいね。


この写真ではちょっと分かりづらいけど、正面から入るとコの字型、箱形の中庭がある。Aから確かF棟まであるので、たくさんの人が住んでいるし、1700年(!)施行ということを考えると、昔は一体どんなお屋敷だったんだろう〜?とまたも想像を膨らましてしまいます。

この箱庭に馬車を停めたのかな、とかね。そしてフランスの、建物の持つ長さよ...(笑)。


18世紀初頭に建った建物が、21世紀の今も平然と使われているという…。須賀敦子さんも著書の中で書かれていたが、ヨーロッパに住むというのは石と共存することで、石灰分の多い水を飲み、石畳の固い、道路を歩く。住んでいるとそのうちその石が、自分の体の中に入っていくような感覚を覚える、という文があったけど、これは本当によく分かる。


その石が自分の体に中にすっかり入ってしまって、日本に帰国するとなると、まずこの石を体の外に出さねばならないという戸惑い、ともあったかな。この戸惑い、石がすっかり体に入り込んでしまっているという感覚、妄想も、本当によく分かるのだ。


それに比べて日本は四季、移り変わる、木の文化なので、寺院やお城を除けば、18世紀初頭に建てられた住まいに、今も住むことが出来るだろうか?住み続けることが出来るだろうか?おそらく無理だろう。



***



私の部屋の窓の下が、ちょうど管理人さんのオフィスになっていて、こんな風に屋根があるので、はなちゃんは窓からぴょんと出て、ここに下りるのが好き。

猫って高いところが好きで、上からものを見るのが楽しいらしいね!なのでたまにここに出れるのは、最適かも。飛んで下りて、また飛んで上がってといい運動になると思うし。

はなちゃんがここから、こっそり外行く人の様子を見ているのを、こっそり部屋の中から見るのがまた面白いです(笑)。



mari
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