Previously, mari's paris life


"La France traverse une phase de vulgarite. Paris, centre et rayonnement de betise universelle" - C. Baudelaire :p
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100% pure Spanish juice












Malaga & Marbella, Spain, October 2015





5月にNYに行った時以来、長いバカンスを取らず、夏の間もずーーっと働き続け、ようやくコーチが10月に2週間の休みを。それで、「どこ行く?!どこ行く?! とにかく暖かいところに行きたいよね!」と調べると、この時期、誰もがきっと同じことを思うのか、マルタ島やシチリアなど、地中海の島々は高く、何の気なしに見たEasyjetのサイトで、スペインの最南端、マラガが往復88ユーロ!矛盾してるような気もするが、倹約生活中のバカンスなので(笑)、行き先ではなく値段で決定したのだった…



その後、もうこれは定番、Airbnbでアパートを押さえると、なんとも低予算のバカンスが実現したのでしたー。実に、3泊4日!



スペインと言えば、私はそこはスペインであってスペインではない、カタロニア王国であるバルセロナに二回行ったことがあるだけだったので、本当のスペイン本土は初めて!しかも、最南端!向かい側はアフリカ大陸、モロッコだぜ。地図で見ると、本当にこんなに南にいたんだった、ってびっくりするくらい南である。ものすごい急斜面をヒーヒー言いながら登った旧要塞のお城は、イスラムの香りがところどころ見受けられ、歴史を感じる。ウマイヤ朝、レコンキスタ!世界史で習ったよね、懐かしい…。そしてパリはすっかりグレーの空が続き、朝も寒い寒い中、5時にニット帽を被り、ウールのコートを着てシャルルドゴール空港に向かえば、着いたスペインは気温20℃以上という暖かさで、完全に浮いた格好をした私たちであった……. 



マラガが好きで、もう2回も行ったというモロッコ人の友達おすすめのカフェやらバーやらレストランなどを聞いていたので、ほとんど制覇し、何てったってよかったのはピカソ美術館である。マラガはピカソの出生の地らしく、それでも若い頃パリやイタリアに旅立って以来、二度と戻ることはなかったそうだが、それでも少年時代を過ごした街として、記念にこの美術館が出来たそうだ。



小ぶりで、それでもここでしか見られないコレクションがあったりして、充実した、私のまさに好きなタイプの美術館であった。オーディオガイドが無料で借りれ、私は日本語で聞いたのだけれど、母国語のせいか、ピカソの残した言葉には胸打たれる言葉が多々あり、私はその場でメモった。以下、記録しておく。




"When I paint my object is to show what I have found and not what I am looking for. In art intentions are not sufficient and, as we say in Spanish : love must be proved by facts and not by reasons. What one does is what counts and not what one had the intention of doing"

「自然というのは、同じものを二度作ることはない」








10月なのに、燦々と輝く太陽がいて、10月なのにTシャツが着れて、サングリアを飲んで、ビーチにごろんと寝転んでは、お昼寝をすること毎日。三日目は高速バスに乗って、さらに南にあるマラベリャという街まで行ってきた。上の写真にはそれぞれ混ざっています。マラベリャの駅も、すぐ上は山というスペインらしい作りの高台にあって、海の方へ段々と下って行くと、始めはどこにでもあるような街なのだが、そのうち突然!なんとも可愛らしい、村の雰囲気をしっかり残した旧市街に出て、そうするとビーチに辿り着くのであった。そして今回の旅で、「南欧風」というのがどういう家で、どういう色合いで、作りなのかがよーく分かった。本場の南欧風を確認。そして白い壁。それは太陽を反射して、さらに白く光る。




スペインの人は、10月なのに(しつこい)こーんなに温暖な気候で、太陽があって、なんてラッキーなのーーーー!!! それが、今回の旅でコーチと共に、つくづく思ったことw 薄暗いパリから来た人間には、妥当の感想だと思う。経済が停滞していたって、何だ!こんなに太陽があるんだからいいじゃないか!とさえ思う。(よくない)



そして今回の旅の反省点は、「もうちょっとスペイン語が話せればよかった」、である。しみじみ。実はコーチは過去に、アフリカで唯一スペイン語が公用語であるとある国で一年間程働いていて、高速道路やら橋などを建設していたのだが(注・現場監督として)、そして私はといえば、まあフランスに住んでることもあるけど、実は遠い高校3年生の頃、一年間だけスペイン語が必修科目としてあり、勉強したというレベル。



コーチは、かねてよりつくづく、「オレは母国語はフランス語だし〜、ポルトガル語も出来るし〜(学生の頃ブラジルに二年留学していた)、スペイン語だって出来るんだぜ。英語だってビジネスレベルなんだぜ〜、ふふん」と調子に乗って、自慢していたというのに!!NYではひたすら私に喋らせ、その度にそういうことが放っておけない私としては、

『ふーざーけーるーなー、、、LinkedInにEnglish : Professional proficiencyって書いてるくせにー!!


とからかっていたのだが、今回初めてスペイン本土に来てみれば、なんと思っていたより全然スペイン語が分からなかったらしく(笑)、メトロの警備員のおっちゃんに道を聞いた時は、私でもなんとなく分かるくらいゆっくり喋ってくれて、コーチもよく理解していたのだが、英語の翻訳が書いていない、いわゆるローカルが行くタパスバーに行った夜には、サーバーのお兄ちゃんが「べらべらべらべらべらべら」と、もう全然拾えないくらい早口で、全然注文した覚えのないものがひたすら届き、大人しく食べたのであった…… X'D



「赤ワイン、グラスで」と頼んだのに、届いたのはなんと、氷の入った赤ワインらしきカクテル。そして「うな、せるべさ」とビールを頼んだ私には、なんとノンアルコールビール!!

「生で?それとも瓶で?」と聞かれたのも分かったし、「瓶で!」と言ったのに、なぜにノンアルコールビールが届く…. ?!(私は大体、どの国の言葉でもビールは注文出来るように、覚えているのだ。はっはっは) 


というわけで、始めは大人しく飲んでいたが、コーチに届いた飲み物が一体何だったのか、そういうことが気になって仕方のない私は、特に恥ずかしくもないので、最後にお兄ちゃんに、


「ねぇ、それでこれ、何だったの?」と聞くと、兄ちゃんは予想もしてなかったらしい質問に一瞬たじろぎ、一歩後ずさりしたのを私は見逃さなかった… !! 「これはティントっていう、スペインでは超メジャーな飲み物だよ..」と答えてくれ、まったくアホに思われた私たちである……. でも、いいの。これで謎が解けたから、すっきり。




目下勉強したいのは、イタリア語と書道の関係で中国語だけど、スペイン語も、独学でまた勉強しようと思う。そう心に誓ったマラガの旅でありました。スペイン、また行くぜ!今度は美し過ぎてとろけるという噂の、グラナダやセビリアを目指して。





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Mariage J+R












なんだかこないだから、西へ東へ大忙し。これ程までにフランスを再発見できる機会もないだろう。先週末は友達の結婚式に招かれて、南フランスのトゥーロンへ行ってきた。トゥーロンと言っても、市役所と教会での式があったのはトゥーロンから車で30分程山の方へ入った、ル・ボセという町で、まだキャトルズ・ジュイエ、革命記念日のお祭りの際に出したままになっている小さなフランス国旗が飾られた市役所は、村の雰囲気をしっかり残したまま、可愛らしく、すぐ隣にある町の教会は、控えめだけれどとても良い雰囲気で、美しかった。


夜は海沿いにある、普段は高級レストランらしい豪華な会場でレセプション。会場はもとより、特筆すべきはこのロケーションである。まさに海を眺められるように立っている。この地域でも有名な結婚式会場なんだって。こんな雰囲気、パリでは到底味わえないから、少し遠いけど、行った甲斐があったし、何よりこんな素晴らしい景色の中、式を挙げることに決めた二人に、ブラボー!と言いたい。




フランスの結婚式は、それはそれは体力が要って、夕方6時半にカクテルが始まったかと思えば、そのままスタンディングでしばらくおしゃべり(ヒールでの辛さに座りたがる女子続出)、その後テーブルに案内されるのが8時過ぎだっただろうか。今回は特別に、食事の前にウォーミングアップとでも言おうか、いきなりDJが登場して、ディスコテックになった。その後また席に着き、食事が運ばれてくる。食べ終わると、デザートと飲み物のビュッフェが設置され、そのまま再度、クラブモードに展開!


少なくとも、そのまま朝3時まではぶっ続けで踊り明かすことになる。3時までですよ。。。中には朝6時までなんてのもザラ。結婚式はおめでたい出来事と言わんばかりに、こういうところ、私は密かに、昔はそれくらいしか盛大に祝うことがなかったんだろうなぁと、遠い中世の、村文化から来てるんじゃないかと思ったりして。



ダンスは得意のブラジル人チームに任せておいて、フランス人チームはひたすら床が壊れそうな程音を立てて、ジャンプしていた(笑)。ブラジル人の踊りの上手さはあれだね、きっとDNAか血の中に、刻まれているんだろうね、と思うくらい、皆かっこいい。どんなリズムにも合わせて、すいすいと踊っちゃうのだ。まったく見とれて、惚れ惚れしちゃうよ。



翌日日曜日は、新郎の両親の別荘にてブランチに。しかもプール付き!この別荘のある地域が本当に素晴らしくて、まるで谷のようになっている、山間にあるんだけど、標識もない小さな小さな道を車で進んで行って、辺りはなんと、一面のブドウ畑!事実、シャトーもあったり、ドメンヌもあるらしい。たくさん看板を見た。朝起きて、窓を開けると、この景色が見えるって、どんな幸せなんだろう。。。もうみんなで言ったもんね、「なんで私たち、狭くて高くて汚いパリなんかに住んでるんだろう??」って。(けれどまた、そんなパリが好きで、住まずにいられないのがパリを愛する者の矛盾でもある)



プールで泳ぎ、遊んだ後、新郎のお兄さんが出してくれた飲み物の中に、ラベルのしていない、簡素なワインボトルの中に入ったロゼワインがあった。たぶん、この辺りで採れたもので、市場には出回っていないのだろう。このワインの美味しかったこと!!寝不足だったから一杯しかもらわなかったけど、忘れられないフルーティーさと、すっきりとした甘さであった。出来るものなら買って帰りたかったよ。


別荘のある生活、憧れるわー トゥーロンの駅周辺にある、AirB&Bで借りたアパートもそれはそれは広く、素晴らしかったし、まったくもって田舎での生活の方が、素晴らしいクオリティーで、(またも同じオチになるけど)一体何がよくて天気の悪いパリで働き、暮らしているんだろうと、イヤになるような素晴らしさだった(笑)。田舎は人も優しいし、どんなお店のどんな店員さんだって陽気でニコニコ、この上ない丁寧さである。なぜにパリではみんなツンツンしているのか



とにかくJ+R、結婚おめでとう 二人の素晴らしい結婚式のみならず、南フランスにたっぷりと魅せられた週末だった。いつかこんなところに別荘が買えるように、頑張ろうーと、きっとみんなが思ったはず(笑)。




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崖っぷちでは愛を告白されたい。その夢はいつも叶わないけど。










ノルマンディーが豊かな酪農王国だとしたら、ブルターニュは海の国、風の国って感じだ。生粋のブルトン人は、青い目で、髪は金色で、絶え間なく吹きさらす風のせいか、前髪が乾き切って、乱れていても気にしない、そのままのざっとした髪のままでいる。整えたりなんかしない。飾らなくて、自然体。ちなみにブルターニュの苗字には、「〜ック」で終わるのが多い。広報の素敵な女ボスもブルターニュ出身だったので、例に漏れずそうだった。習字教室の友達も一人、そうだな。


次の日、フレエル岬というところに行ってきた。自然が切り開き、織り成した、だだっ広い野原のような場所に、岬がある。断崖絶壁になっていて、見下ろすとエメラルド色の海が。何もないのに、鳴門みたいに渦巻いてる箇所がある。不思議だ。時たま小さな舟が往来して、時間だけを楽しむ人の姿が見える。灯台があって、全部で145段もあるステップを登って、上まで行ってきた。ビルだったら7階建てだね。



こんな崖っぷちに立つと、それこそ風が強くてろくに目も開けられない。のが二枚目の写真ですw あまりに風が吹くので、そのうち髪はまとめてしまった。ちなみにもう4月のことだけど、髪の毛切りました。ずーーっと長くしていたけど、いい加減限界が来たので。




晴れたり、曇ったり。小雨が散らついたり。ずーっと晴れ間が続くということはない、典型的なブルターニュの天気。まるで故郷の街みたいだなと思う。そこに立つ家は頑丈な石造りで、人は気骨精神に溢れ、それはまるで何世紀も前から立っている、あの豪邸のようだ。前回書いた、ブルターニュ出身の友達は、私が年末に送ったメールも虚しく、なんと亡くなっていたことが分かった。私が送ったメールは彼の目に届いただろうか。亡くなっていたのが寝室なのか、書斎なのか、家のどの部分なのか未だに分からずじまいだけれど、どうか彼が、苦しまず、孤独の中亡くなったんじゃないことを、ただただ願う。ブルターニュに来ると、吹き止まない風の中で、いつも彼のことを思い出す。最後に会いたかった。例えもう、声が出ない状態でも。



À Jean.




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海辺の家で思うこと


人生二回目のブルターニュに来ています。こんにちは。714日、今年は火曜日が、日本でよく言われる「パリ祭」、革命記念日で祝日なのだが、そこは得意の有給で埋めて、13日月曜日も休みにしてしまった(彼が)。長い、週末のさなかです。なんかもう、毎晩アパート探しまたは内見に明け暮れて、あちこち見に行ってはがっかりするのを繰り返していたら、私も彼も、すっかり参ってしまって。まだ始まったばかりだというのに、一体どうなるんでしょうという感じですが、結局はいつも、思ってもなかったような場所の、いいところに決まるのであって、ポジティブでいようと思っているよ。

 

 

面積はむちゃくちゃ広いが、ただし工事が必要  それも莫大な。という物件を二件見た。一件目は主にキッチンとバスルームの大改造が必要で、それ以外は部屋の状態もいいし、電気系統はちゃんと標準に直してあるしで(それが大前提じゃないフランスってすげーだろ)、広いし、一階にあるしで、よかったのだけれど、大通りにあるせいで、二重窓を開けると車の音が聞こえる、聞こえる。それもバスまで通る、二車線だった。

 

 

不動産屋のおっちゃんは、「欲しいのなら、急いで」と言ったが、私たちが買いたいとオファーするか迷っている次の日に、分かったことは、なんと私たちが前日内見に行ったとっくの前に、15分だけふらっと見に来て、「現金で買っていく」人がいたらしい。。そういうのは、予めサイトで部屋面積や写真を見ただけでほぼ確信していて、工事をするのも怖くはないし、投資または賃貸目的なのだろう。まぁ、こういうのは稀なケースだと思うし、そう多くはないと願うが、改めて、パリ近郊のちょっとでも条件のいい、掘り出し物件の売られ具合、その速度に、唖然としてしまった、私も彼も。私たちが馬鹿みたいに、「どうする?どうする?いくらでオファーする?」と悩んでいるうちに、実はとっくに売れていたのだ、それも、現金で。。。

 

 

ブルターニュはやはりブルターニュらしく、曇り空が続き小雨が降るかと思えば、午後には太陽がゆっくりと顔を出してきたりして、本を読みに行ったビーチに着く頃には、やっぱり水着、脱がなければよかったなと後悔したりするのだった。(とは言え、ここだけの話だけれど、着いた日には、まったくもって中に水着を着てきておらず、砂浜に敷いたタオルの上にごろんとなれば、世間的にはもうバカンスが始まっていることもあり、海沿いの開放的な空気に任せて、サマーニットを脱ぎ、ブラのまま本を読んだ。さすがに下だけは、ショートパンツのままでいたけれど。なんてことはない、すぐ隣には、トップレスの人だって普通にいるのだからー!(キャーおフランスってば!)

 

 

12月。年明けのほんの前に前回初めてやって来た以来、二回目の、半年ぶりのブルターニュ。あの時と季節は変わっているけれど、行き交う人々のシックさ、本場のマリンルックは変わらない。私がいるのは、ブルターニュはブルターニュでも、サン・マロの向かい側にある、ディナールという町なのだが、どうしてディナールなのかというと、彼の両親が去年、そこにアパートを買ったからなのであった。不動産好きのママである。そのうち完全にこっちに住み移ってしまうだろう。それも、新築!おかげでフランスには珍しい、超超最先端のモダン住宅で、何もかもがドキドキしてしまうくらい、快適である。義理の両親に、感謝。

 

 

「この夏ディナールの家に行ってくれていいのよ、いつでも、好きな時に」とことあるごとにママは言ってくれていたのだが、急にこの週末に行くことに決めたのが、4日前くらい、、?運転こそ5時間少々かかるものの、ここに来るのだったらホテルが要らないし、何より海こそ見えないが、とても静かで、部屋に付いている小さなテラスのようなスペースに出ると、そこを飛ぶのは、カモメが数匹という具合なのである。カモメですよ、カモメ。昨日は思わず、どこか猫が鳴いているのだと思ったら、それは空を飛ぶカモメであった。そうでなくとも、何か鳥のさえずり声がする。なんという幸福な環境であることか。私は是非とも、そこのテラスに出してある、長椅子というか寝そべられるロングチェア(長椅子を英語にしただけ)に座って、この様にとりとめのない文章でも書いてみたいと思って、今回は夏だし、三泊四日分の荷物に加えて、MacBook Airを持ってきたのだけれど、やはり肌寒く、薄手のニットは必須なブルターニュの夏である。まぁさすがに、先週の熱波の際には、暑くなったのであろう。ロンドンでも暑かったという話だし。そしてあの2003年を思い出した異常な熱波は、一時はどこまで続くかと思われたが、5日程で無事、過ぎ去ってくれたので、杞憂に終わったと言える。あんなに寝苦しい思いをしたのは初めてだった、フランスで。猛暑が去ると、やって来たのはまた、ひんやりとしたいつもの夏だった。

 

 

ビーチに来ると、いつも思うのだが、私は砂が怖い。臆病になる。頼んでもないのに肌に貼り付くだろうか。公園の砂場と同じで、形を成さない、どこにでもするりと入り込んでしまう、ずるい存在。コンタクトをしている関係で、もう何年も、頭の先までずぶりと海の水に入り込んでしまう経験もしていない。いざ入ると、海の中は、浜辺から見るよりもうんと強い波の力があって、これまた怖くなる。とにかく私は、beach personじゃないけれど、それでも砂浜に来たら、サングラスを掛けて、日焼け止めをしっかりと塗って、ごろんと横になれば、ただひたすら本でも雑誌でもを読むのが好きである。

 

 

今年はちょっと前に、ビアリッツにも行ったし、その数週間後には、予想もしてなかったけど、急に決めて、ここブルターニュに。もう二回も海を見た。なんて幸運な夏だろう。幸先がいい。ちなみにここディナールのビーチの方が、土地柄なのか家族連れが多く、ビアリッツの海の方が若い!という印象である。潮が引いた砂浜を歩くだけで、無数の糸のようにぐるぐるとなった結び目の、それは砂で出来ている、、を見つける。綺麗と思った貝殻を、ぱっと拾ったり、干涸びて、もう原型さえも留めていない、何か海藻なようなものを見たり、必死になって砂で出来た丘を這い上がろうとする、砂と同じ色をした、初めて見る小さな虫、、、。いろいろなおかしく、面白いものを見る。顔を出した砂浜の部分だけでもこんなにおかしなことがあるのだから、目に見えない、海の奥深くは一体どうなっていることだろうと想像を掻き立てられる。


 

ディナールにはいくつかビーチがあって、彼は通称三番目のビーチがいいと言うけれど、私はその手前にある、小さめの、ひっそりとしたビーチが好きだった。古本でもらった、デュラスの対談集と迷ったけど、もう何度も読んでいる、村上春樹の「辺境・秘境」という旅の記録本を読む。文庫本で、これまでも飛行機の中や、旅先、移動の際に読んできた。ブルターニュのビーチに、香川のうどんやメキシコ横断の話はまだしも、ノモンハンが合うかどうか不安だったのだが、読み始めると不思議と引き込まれて、何も違和感は感じなかった。むしろ、ノモンハンの章が一番面白いとさえ思えた、ブルターニュのビーチでは。Mix and match. 意外と思われる組み合わせ。

 

 

南仏でも同じような現象が起こっているだろうけど、ご存知フランスのいわゆる海辺の町、もしくは別荘に最適と言われるような恵まれた地では、イギリス人がよく家を買っていて、それはディナールでも例外ではなく、町の中心地にある商店街は心なしかイギリス風だし、イギリスのナンバープレートもよく見かけるし、海をぐるっと囲んで遊歩道になっているその上にある高台の丘には、まるで冗談ではないかと思うような豪邸、ヴィラがあるのだった。以下、参考にされたい写真である。


まじで、これはお城なんではないか、個人の持ち物なのか、この人たちは、一体どういう風にしてこういう家をお持ちなのか、、、いろいろ考えずにはいられない、それはそれはゴージャスな町並みが続く。彼によると、こういうのは昔からの相続で、どうしてここの人たちがこのようにして財産を築いたかというと、それは大航海時代の云々、、、という話であった。その当時には、こういう家だってそんなには高くなかったかもよということであるが、そうなると、もう何世紀にも渡って、しっかりとそびえ立っている頑丈な、石組みの家である。あっぱれ。今だったらもうべらぼうに高いんじゃないの、維持費だって、、と、思わず人のことなのに勝手に心配してしまう有様である。(今、不動産情報に敏感な時期だからさ、えへ!)

 

 

実はこの写真は、後で出てくるサン・リュネールの海岸で撮った写真だけれど、、、

 

 

そしてディナールのいいところは数あれど、特筆すべきは波が打つすぐその上に遊歩道が作ってあり、歩いたり、なんとランニングしたり出来ることである。さすがに満潮になると危険とのことであるが、そうでなくても私はちょっと、ランニングする勇気はない。。私だったら、つるっと滑って落ちるのが目に見えているし。

 

 

今日は車に乗って、このもう少し先にある、サン・リュネールという町に行ってきた。これまたディナールに負けるとも劣るとも言えない素晴らしい景観の住宅街の中を抜けて、崖っぷちに着くと、そこには十字架が立っていた。そのすぐ手前にあるレストランで、クレープを食べて、夕食にする。ディナールに来る度に必ずクレープを食べることにしているが、パリでいうモンパルナスの駅界隈にあるクレープ屋とは違って、本場のクレープは何が違うかって、その気前の良さである。ふんだんに具が入り、そして安い。以前シャルトルに行った際もブルターニュの手前だからという理由でクレープを食べたが、そこでもその気前の良さにびっくりした。モンパルナスの3倍以上のボリュームだろうか。今晩私が頼んだクレープは、ホタテと刻んだネギがふんだんに入って、フレッシュクリームと、レモンを絞って食べる。薄めでぱりっと焼いてある生地だったため、いつもは出来ないけど、デザートのクレープまで頼んでしまった。(しかも、チョコレートとバナナ入り、、、)

 

 

夏という季節のおかげで、この頃は夜10時頃まで明るい。9時過ぎにレストランを出て、すっかり人気がなくなったサン・リュネールのビーチを歩く。犬を走らせている人もいる。なぜなのか、砂浜に大きな円を描いている人も見かけた。ナスカの地上絵のブルターニュ版である。まぁ、あそこまで凝ったものでは到底なかったが、それにしてもなぜ、大きな円を、、、

 

 

どうするとも言えないけど、気が向いたままに貝殻を拾い、ただ空気を楽しんでいると、彼は突然、「俺、走ってくる!」と言って、私に荷物を預けると海辺まで、もしくは数百メートル先の、ブイが置き去りになっている箇所まで、一目散に走って、消えて行ってしまった。男の人を突き動かすものって、一体、、、。砂浜に描かれた巨大な円に次ぐ謎である。

 

 

明日はいよいよQuatorze Juillet, Bastille Day, 革命記念日だけれど(いろいろな言い方があるなぁ)、この静かなディナールではどういう盛り上がるを見せるんだろう。明日は一応、快晴、26℃という予報なので、しっかり水着を着て行って、またビーチでごろんとなり、サン・リュネールのまだ先にある海浜公園みたいなところに行く予定である。名前は忘れてしまった。けれど、そんなことは重要じゃない。(おっ、村上春樹風)


その様子も、追ってまた!お伝えしまする。皆様もよい夏を!

 

 

 

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4年ぶりのビアリッツ




#HappyFeet. Still thinking about that pool…… ;)





先週末、この夏結婚するブラジル人の友達のバチェラレット・パーティーで、4年ぶりにビアリッツへ行ってきました。4年前、妹が結婚する時に行った以来のビアリッツ。ビアリッツはボルドーのまだ先にあって、パリから電車で5時間少々だろうか。バスク地方に当たる。もう少し行けばスペインだ。ビアリッツには、大西洋に面したビーチが街の中にあって、まだ6月で水は冷たいのに、フランス屈指のサーフが盛んなポイントだから、海はもうサーファーで溢れていて、サーフィングスクールもあったり、人々はビーチに寝転んでのんびりとし、ひたすら体を焼き、パリと違って人は優しく(強調!!)、時間はゆったりと太陽のもと流れ、けれどさすが昔の保養地なだけあって、あちらこちらにブルジョワ的な空気が流れている街、それがビアリッツ…..  とにかく綺麗でかわいい。



バルセロナもそうだけど、街の中にというか先にというか、ビーチがあるのって最高だよね。ふらっと行けて。パリにはセーヌ川があるが、海までは最低でも2時間くらいかかるので、湖のある街で育った私としては、水というのはどこかとても重要なエレメントで、あまり長い間水を見ないで過ごすと、どこか苦しくなる。ビアリッツのような街に、数週間でもいいから住んでみたいと思うけど、妹が調査したところによると、やはり産業がないため、住んでいる人は大抵が自分でお店をしているか、ホテルなどで働くなど、観光業に携わっているのだそう。近くにある産業と言えば、トゥールーズのエアバスだそうだ。



今回集まったのは、主役の彼女に、ブラジル人女子二人と私と妹の、日本人二名。はたから見たら、とにかくエキゾチックなグループに見えたことだろう(笑)。しかも、ブラジル組の一人は、ドイツと台湾のハーフだし。ちなみに私と彼は、3年前に、この未来の花嫁のバースデー・パーティーで知り合ったので、いわば彼女は、私たちカップルの、恩人!XD



ビアリッツに負けないビーチの国から来たブラジル人女子は、やはりビキニの着こなしも自然というか、様になっているというか、とにかく焼けたくない、なのに焼けやすい、びくびくしている日本人の私とは違う。4年前に行ったレストランで、忘れられない白ワインベースのサングリアもまた頼む。南は食事も美味しくていい。何より人々が優しいのが……◎ 冗談でなく涙が出そうである。



このプールは、スパ兼マッサージに行った、ソフィテルの中。そこで受けたマッサージが!まさに夢のようでありました。。。少し暖めた海水を入れたシャワーのような器械から、体の上にまるで雨のようにぽとぽとと水が落ちてきて、オイルでほぐしてもらう。この上ない幸せ。そしてまたこのプールが夢のようでありましたことよ。私はこんなゴージャスなホテルのプールになんて来たことない、可哀想な女の子なので(笑)、思わず二秒程はしゃいでしまい、内輪から怒られた……


とにかく、ソフィテルおすすめです。スタッフの人も全員なんて優しいことよ!!帰りにいろいろお土産までくれたぜ。



ちなみに面白かったのが、スパの中にはお年寄りのグループが多くて、私たちはなぜか珍しいくらい若い方だったのだが(と言ってももうそんなに若くないのだが)、そのせいなのか何なのか、最初にケアを受けた友達は、「ねぇ、あなた達、パリから来たジャーナリストなんでしょ?!」とエステティシャンの方に間違えられ、それを言われてしばし困惑したそうである。なぜジャーナリストに?!(5人とも全然違う仕事をしている。最も、私は今働いていないのだが……)



戸惑いつつ、友達は「い、いいえ..」と正直に言ったそうだけど、後で「あーやっぱりジャーナリストだって言っとけばよかった!!そしたら最高の施術をしてくれたでしょ」と後悔、ちゃっかりしていた。




本番の結婚式はいよいよ3週間後、これもまた(方角違うけど)南で行われる。南仏、トゥーロンの近く。私はそっち側の南はてんで知らないので、ニースやマルセイユにだってまだ行ったことがない。エクサンプロヴァンスやカンヌなんて、夢のまた夢だ。まぁいい、いつかそのうち縁があって、自然に行ける時が来ると信じているから...











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Randomly instagrammed NY


















































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In NYC, I fall in love with Bryant Park








Hmmmm Bryant Park








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New York Diary - May, 2015

























Brooklyn Bridge / Wall Street / Flat Iron Building / Empire State Building / MOMA / Central Park / Trump Tower / Grand Central Station / Park Avenue / Metropolitan Art Museum / Helicopter Tour over the NY sky……




These pictures are just a small part of the thousand pictures that I and my boyfriend took in NYC. Everyday we kept walking for blocks and blocks so I could burn some calories! X'D




… What a city. I am entirely fascinated and can't already wait the next time!

















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Hey yo, I'm back !

New York photos from May to be shared….

See you very soon ! :)











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It is nothing, but it is everything






























有言実行、願い叶って、無事予定通り、クリスマスの後、二泊三日でブルターニュへ行ってきました。初めてのブルターニュ。あんなにびゅんびゅんと吹く風の中を歩いたのは、久しぶりだった。それに、よく言う通り、典型的に「よく雨が降っては止んで、また降る」というブルターニュ的天気を体験したのも初めて!一時はみぞれが降りましたが、幸い車の中で、よかったー!二日目の午後に向かったのは、お向かいのサン・マロ。上の写真はいろいろと混じっています。


モンサンミッシェルは、遠くから見ると、なんて美しい。どうしてあんな岩山が、あの地形にたった一人、存在したのか。昔の人がそこに、信仰心を見たのが分かる。何かを、信じたくなったのも。澄んだ空にぽっかりと浮かぶ聖なる島は、フランスが誇る世界遺産だというのも、納得がいった。




打ち寄せる波に、夜はどこまでも砂浜の上を歩いていけそうな、深い海、容赦なく頬を切る、塩分を含んだ風… 久しぶりにこんな自然を肌に感じたけれど、防波堤だって人間の都合のいいように、調整してある。自然とは言っても、まだ「優しい」自然。人間が住みやすいよう、あくまで人間の勝手にデザインしてある自然に過ぎない。それでも、普段パリに住んでいてはなかなか触れることのないものを間近にしたので、ものすごーーーく寒かったけれど、いい体験でした。



***



ブルターニュでは、ブルターニュ出身という、すごく年の離れた友達のことを考えた。彼はガンだと言う。



***




ブルターニュには初めて行ったけれど、行き交う人が誰もとてもシックで、それは皆が、第二の家を持っていたり、カジノがあったり、余裕のある人たちが多く行き来するせいもあるかもしれないけど、本場のマリンルックを目の当たりにしたり、はっとするような青い目の女性や、潮風に照らされた金髪の男性の前髪… そういったディーテールに終始目を奪われました。



辿り着くまで、3時間強かかっただろうか。それまでの、何もないような、どこまでも続く、フランスの田園風景というか、酪農風景、原風景を目にするのが好きだ。雲はだんだんと奥行きを増して、立体感が。空はどこまでも広く、乳牛や放牧されている馬の傍には地平線が見えるよう。途切れ途切れに民家があり、ちょっとした村があると、大体の構図は決まっている。まず中心地に教会があり、その塔はどの建物よりも抜きに出ていて、ゴシック建築の、尖った屋根が目に入る。遠くからでも。教会を巡ってぐるっと、郵便局、パン屋さんなどの商店があり、かたつむり状に町を成している。そんな風景は、中世から変わっていないのではないかと思わされる。そうして変わらず、機能し続ける町の姿。人間にとってほんとうに必要なものとは、何だろう?





***



クリスマスのプレゼントに、彼のお姉さんからもらった本の一冊、イヴ・サン・ローランの伝記のような、小さな本にあった言葉。"It is nothing, but it is everything." 


後半部分はサン・ローラン自身によるデッサンや、格言が詰まっていて、まるで宝箱のような本。好きなデザイナーなので、嬉しいプレゼントだった。デザインや何よりも、彼の哲学が好き。


何でもないけれど、すべてが詰まっているような。私もそんなものを書きたい。何でもないようで、読み終えると深い言葉の海に、数日間浸かるような。それは、私が道中見た、フランスの原風景にも似ている。何があるというわけではないけれど、そこにはまるで、すべてが詰まっているような。


夕暮れをまもなくにして、昼と夜の境界線が、赤みを帯びてピンクになる。不揃いに時々木々が立ち、家屋が見える。あちらこちらに見える雑木林には、複数の宿り木が。何も特別なものはない、これらの風景は、数百年前からきっと変わっていないと思わされるような… 圧倒的な強さ、美がそこにはある。その瞬間は何でもなくても、一度目にしたら、心地よい衝撃が身を付いて離れられないような… そんなものを、私は書きたい。







新年、明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。





mari









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