Previously, mari's paris life


"La France traverse une phase de vulgarite. Paris, centre et rayonnement de betise universelle" - C. Baudelaire :p
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運命の指輪
12月に、指輪を買いました。ずっと探してた、右手の薬指にです。



なかなかぴったりのサイズがなくって、デザインが気に入っても、大きいってことばかりだった。

なので探しても出会えず・・ 

と思っていたら、ようやく、めぐり会えたのです!(これ大事)



以前エッフェル塔のピンを買った雑貨屋さんへ、イギリスから遊びに来ていた友達を連れて行きました。かわいい小物でたくさんなの。って言っても、実はかばん屋さんなんだけどね。



そこで出会った、運命の指輪。

今まで試したのが嘘だったかのように、薬指にぴったり。

お店のおばちゃんも、「いい銀なのよ」と言ってくれました。



始めはこのハートがちょっと子供っぽいかなぁと思ったんだけど、小さいし、細いし、そんなに気にならないなぁと思って、購入を決意。

今では揺れる感じが気に入っています♪



うれしい、やっと見つけたよ。

右手の薬指にしちゃうの?って疑問は置いといて・・・・

いつか左手の薬指にも運命の指輪がはめれますように(笑)。




指輪と言えば、こないだ授業でも結婚の話になって、今の先生は3回離婚したらしい。で、今の奥さんは4回目の結婚。驚愕だよね・・。

初めての妻はイタリア人で、次はアメリカ人、その次はスウェーデン人だったらしい。そして今の奥さんはロシア人と、「フランス人とは一度も結婚したことないんですか?」とアルバニア出身の生徒が聞くと、

「あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛」と言って首を振っていた。そんなに嫌かぃ。。



そしてもうひとつ指輪ネタを言うと、今日の午後からオランダへ。友達の結婚式に出席するためです!しかもブライドメイドとして!!

なんて光栄。結婚式もいつ以来だろ〜。何着るか悩んだけれど(何せ今日パリは雪が積もっている!)、何かのためのドレスをふたつ持ってきていたので、両方持って行くことにしました。でも上はダウン羽織るけどね・・ 防寒が一番です。。
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反・大人になりたくない症候群
大人になりたくない症候群。別名、ピーターパン症候群。

ずっと女の子でいたい症候群。別名、聖子ちゃん症候群(って言うらしいんだけど本当!?)。



私がそうなのかと言うと、違います。絶っ対に違います。



なぜかと言うと、ちょっと前、引っ越した友達からもらった日本のとある雑誌、その名も”25歳”という名前の雑誌。

時間があったのでこないだ読んでたんだけど、

やっぱり、日本の女の子って、精神年齢低いと思うよ〜。。

ヨーロッパの同じ年のコとか見てると、明らかに違う。同じかわいい、でも、種類が違う。



前に、誰だったかは忘れたけど、イギリス人の俳優さんがインタビューで、

「どうして日本の女性はあんなに皆かわいらしいの?何か特別にしつけられてるのかな」って言ってて、

『へー、分かったのか』って思った。確かにイギリスと比べても違うかもね。



どこの国でもかわいらしい女の人はいるけど(アメリカとかまた特殊だし)、日本のような雰囲気は、見つからない、と思う。

いつまでも女の子でいたいって、いいけどさ、勉強して、いろんな経験を積んで、素敵に年を重ねて行きたいと思うよ。。

フランスの女の人が年を取っていく哲学に、私は大賛成!

いっぱい学んで、恋をして、働いて、子供を産む。

自分の人生を楽しむこと、いつも笑っていること。

中味だけ置いてけぼりで、数字だけ増えていきたくない。中味を鍛えなくっちゃ。



・・ってこんなこと思ってるから、私は老けてんだろうなぁ〜(涙)。どうしてこんな風になってしまったものか。まだ20歳ですよ。。
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最近よく。
最近よく、帰国する時のことを考える。

あとちょうど三ヶ月だからか、頭をよぎる。

最初はものすごーく長い気がしたのに、もう半年が経った。



今生きているこの瞬間は、今しか味わえないもの。

今見ているこの風景は、今しか見れないもの。

何をしていても、何を見ても、一瞬一瞬をしっかり生きよう、見つめようと努力する。噛み締める。



いつ帰ろうかな。帰りたいかな。帰りたくないかな。

私を待っていてくれる人はいるかな。あの人に会えるかな。



私は絶対、パリが恋しくなることが分かってる。

パリが好きだから、フランスが好きだから。



6月には私もここから日本へ帰るんだろう。





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文学の国 -すべてはつながっている-
今学期の新しい先生(男の人)は文学専門で、私が通ってる学校では文法の授業で文学も読むため、一度文学の講義が始まると、なかなか話が終わらない・・ということがある。。

こないだも授業は13時50までのはずなのに、気がつくと14時10分だった・・。まぁいいけどね、それぐらい。でも途中お腹鳴って恥ずかしかったわよ。。



主に19世紀、20世紀のフランス文学を読むことになるんだけど、こないだ私達が始めたのはヴィクトール・ユーゴー。

その他にも、「19世紀、20世紀のフランス文学者の名前を言ってみろ」という先生の質問に、皆、

「シャトーブリオン」、「バルザック」、「スタンダール」、「ボードレーヌ」、「フロベール」、「ランボー」、「モーパッソン」、「ゾラ」・・と次々言うんだから素敵だ。



私は大学でも、英文学の授業は必修であったから取らざるを得なかったけど、

それ以外文学は苦手で、あまり取っていなかった。

最も、個人的に何かを読んで味わうのは大好きなんだけど、先生が思ったように意見を合わせることが出来ないため、テストでも点が取れない。

フランス文学においても、「星の王子さま」や「異邦人」は授業で読んだけど(原文)、それ以外は機会がなくて読んだことはなかった。

『時間があるだろう』と思って持ってきたゾラの「ナナ」も、結局気が付けば2月・・。最初の何ページを読んだきり。。いやいや、いつか読み切るけれども。。



話が反れたけど、とにかく今の先生は文学専門の先生のため、授業で文学を読む場合、語学学校以上のことが得られるようで、非常にうれしい。。まぁやってる文法も、私立の語学学校では到底習わないような「シック」なことばかりをやってるんだけどね(涙)。。

ソルボンヌ(パリ第4大学)やパリ・カトリック(パリ第3大学)でも教鞭を取っているぐらいの先生なので、文学の講義は身が入る。

貴重な話・・と思って一生懸命聞いています。



面白いのが、文学などの歴史の中での事柄は、その時代の風潮や政治的事件にすべて関連しているんだなぁってこと。

ヴィクトール・ユーゴー自身もナポレオン3世の時世が嫌いで、イギリス・ジャージー島に亡命したことや、

カミュの非宗教的精神は、自身の哲学から来るものであったり、ルーツであるアルジェリア戦争についても触れていて、

そういった歴史的背景が、主張となる文学自身に色濃く反映されているのだ。



そういう時は、『あぁすべてつながっているんだな』と思う。

この世にあるすべての事柄は、皆つながっている。

一見それぞれ独自の文化を築いているように見えるヨーロッパの文化も、実は密接につながっている。言い換えれば、何かしら隣接国の影響を受けずして、今日の文化は形成されなかったのだ。それは敵国としての侵入であったり、フランスで言うといい例である、どこか他国からお妃をもらったり・・という関わりによって影響を受けた。

フランス革命でギロチンによって処刑されてしまったマリー・アントワネットも、実は母にマリア・テレジアを持ち、つまりオーストリアの血を引く人であったし(事実彼女はフランスに嫁いで来たばかりの時、フランス語が話せなかったという)、フランス王妃2名を輩出したイタリア・フィレンツェの名家メディチ家によって、フランスには現在のフランス料理の基盤となる、調度品の数々や食事のマナーやレシピが持ち込まれた。いつも豪華なものを食べてそうなフランス貴族だけど、食事の面においては、イタリアにかなりの遅れを取っていたのだ。



だからね、純粋民族主義なんか振舞ったって意味がない。長い長い歴史の中で、人は関わり合っているんだもの。

日本においてもそれは同じ。日本人という定義は、人類学的にはモンゴロイドの一種だけど、日本人のルーツはどこから来たか分からないらしい。南から海を渡ってやって来た人々、北の大地から大陸を渡ってやって来た人々・・。そして元々日本に住み着いていたアイヌ民族。そこに、純粋な民族の定義ってものを問うことは出来るんだろうか。



文学は政治的事実、時代背景と密接に関わり合っていると定義することが出来れば、

文学はもう、歴史的なドラマと呼ぶことが出来るだろう。歴史的事件だ。

それを人が書き留め、本にした。

価値あるものは残り、後世に受け継がれた。



そして、先生も言っていたけど、フランスは音楽の国と言うより文学の国なんだって。

「フランス人の音楽家の名前を挙げてみろー」と言われて、大好きなドビュッシー、サティ、(ポーランド生まれですが)ショパンの名前を私が挙げると、先生は「どうだ、少ないだろう」と言ったのでした。「ドイツ、オーストリアに比べてみなさい」と。

なるほど確かにそう言われてみればそうだ。名ある音楽家は皆ドイツ人であったりオーストリア、イタリア出身の人が多い。ベートーヴェン、バッハ、ハイドン、モーツァルト、ビバルディ・・・。

先生も、「どうしてかは分からないが、フランスは今でも音楽は冴えない国だ。でも文学はどうだ。フランスはこれまで数多くの文豪を輩出してきた国だ。そう、フランスは文学の国なのです」と。





フランスにも一応音楽市場は存在していて、ポップからロック、ましてやヒップ・ホップの曲もあるんだけど(ちゃんと歌手もいるしお気に入りのバンドだってあるんだけど)、

フランス語のリズムが、どの拍子にも合わないんだと思います。。悲しいことに。。 

だってフランス語のラップとか超おもしろいんだも〜ん(笑)!柔らかい言語で歌ってるのにさ、言ってることは強気なメッセージだったりして、なんだかミスマッチな気が・・ 

これにはまわりの日本人の友達も同様のようで、フランス人の友達がどう思ってるのかは知らないけど、MTVでも英語の曲がかかる方が、圧倒的に多いのでした。。



フランスは、文学の国。
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フランス式数字
フランス式数字というものが存在する。数字の書き方まで伝統があるの!?って最初は思ったけれど、そこはフランス。だてにアパルトマンの外壁も、100年以上前のものが残ってないよ。。



まず、絶対に特徴があって、何かって言うと、1と7。

1は一見4か7かって見間違えそうになるぐらいなんだけど、7には絶対横線が入ります。

4も変わっていて、絶対にくっついている。



最初はすごく書き慣れなかったけど、時間が経つとともに、最近は上手くなってきたかも?



言葉で説明しても分かりづらいので、写真で。




そして前にも書いたし、これはけっこう有名だと思うんだけど、フランス語は不思議な数字のつけ方をしている。



フランス語には70以上の数字が存在しなくって、70を60+10、80を4×20、90を4×20+10と、組み合わせて言うしかない。

これが大変!喋ってるとそこまで神経まわんなくて、間違えそうになることあるある!反対に、お店で値段を聞いてる時も、とっさに理解できるようになるまで、時間かかった・・。



例))

70=60+10

71=60+11

75=60+15

80=4×20

85=4×20+15

90=4×20+10

99=4×20+19



・・と、組み合わせた言葉でそれぞれ数字としているのです。なんでこんなややこしいことしたんだ〜〜〜!



そしてこんなことが手伝っているのか、フランス人は数学が苦手xx 親近感沸きますね〜。ちなみにこないだ友達に、「マリちゃんのお父さんは何やってるの?」と聞かれて、「電子学なんとかの先生」と答えると、「え、じゃあ、てことはお父さん理系!?でもマリちゃんからは全然理系の風が吹いてこないよねぇ」と言われた(笑)。 その通り、そんな風は無風でしてよ。。
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普通の伝統



こないだまで遊びに来ていた妹のフランスへの感想は、「普通におしゃれ」というものだった(blog参照)。

この一節を読んで私は、『そうか、そうだな・・』と思った。

思うに、この、「普通に」、という辺りが大事。その通りだと思う。

そうなのだ、彼らフランス人にとっては、家の内装に凝ったり家具と壁紙の色を合わせたり、アパルトマンの外壁は100年以上前のものが残っていたり、カフェのテラスはストーブで暖かくしてあったり、といった、我々日本人がここ数十年で始めたことは、ごく普通のことなのだ。



うーん、それが伝統。それが文化。悔しいけど仕方ないよね。どう考えても時間はさかのぼれないし。

しょうがないけれど、それを悔やんでいる間にも、自分達の伝統を見直してみればいいのだ。

まぁ日本は生活形態がすっかり変わってしまったことも原因に挙げられるでしょうが、我々日本の伝統だって素晴らしいものよね。

着物、お箸、和室での生活・・。今ではすっかり洋服、フォーク、フローリングに置き換わってしまった伝統文化しか思い付かない辺りが悔しい T-T



とりあえず日本のサブ・カルチャーは置いておいて・・

まぁヨーロッパこそもともと椅子での生活、ナイフとフォークでお食事、という文化の国だから当たり前なんだけれど、

それでも普通に街がきれい、ってのはずるい。繰り返します、この「普通に」って辺りが重要なのです!

日本も江戸初期の頃はきれいだったって言うじゃないか〜。ってあたしはいつの人じゃい。

でも、江戸後期に日本を訪れたイギリス人紳士は、「私は日本に来てなんと自分は野蛮なんだろうと思った」という記述を残しているらしいから、日本も捨てがたい美を街の中や生活体系の中に誇っていた・・ はずなのに〜〜〜。



私がこう思うのはですね、特に駅の辺りとか繁華街の中で、赤や緑や青や黄色などの色の看板が見事なまでにミスマッチに共存してて、宣伝効力だけを盛んに叫んでいるようで、まったく美しくないと思うんですけど・・ 日本は。どうなんでしょう。

広告ひとつを取ってみても、そこに伝統はない。いかに目立つか、売れるかということだけが考えられているように思う。



大体京都や山景部でのポストやマクドナルドの看板の色を茶色や目立たない色にしましょ〜って動きは意味あんの。。

そこだけ変えても他変わんなかったら意味ないでしょうが。。





・・ってあたしはこう思うんだけど、アメリカ人の友達とかに聞いてみると、日本はcoolな国って言うんだよな〜。あの看板のごちゃごちゃも、建物が入り組んでるのも、coolらしい。

上海とかベトナムの風景がある種かっこいいと確立しているのと同じように、違う文化から来た人には日本の風景がcoolに見えるのかな。

事実、あたしがパリが嫌いなフランス人にいかにパリがきれいか、素敵かを熱弁している時、

たいてい理解してもらえないのでした。

これも、パリとはまったく違う文化、つまり日本からやって来た私にはフランス人がうんざりしてしまうパリがcoolに見えてしまう、っていういい例だよね。皆同じ街を見てるはずなのに、感じ方は人それぞれで不思議だ。。



私の家の中でお父さんの名言、というものがいくつか存在していて、その中のひとつに、

「日本はアジアだ」、というのがある(こう引用させてもらっていても、うちのお父さんなんだけどね(笑)。まぁいいか)。



父がどこでこのことを思ったのか知らないが、私は大賛成。その通り。

私にはバンコクや上海、北京、ソウルなどアジアの大都市の風景が、日本のものともさほど変わりがないように思える。って言うのも、私はまだそれらの都市を深く知らないからだろうけど、って批難はいつでも受けます◎

ただアジアにおいては、日本は1960年代をきっかけに産業革命を通じて多大に発達した国だから、先駆者的なところがあるのかもしれない。これが原因で、アジアの他の国は日本のように発展したいと望み、テクノロジーを研究するのだろう。

こう書くと、なんかとんでもないナショ○リストのように思えるけど、そうではありませんのでご注意を。



世界のお手本はどこだ。一番古い文化を誇る国はどこだ。

どの国に倣えばいいのだ、自国の文化はどうだ。伝統はどうだろう。

見習うべきところはたくさんあって、見直すべきところもたくさんある。

いつか日本も、普通におしゃれな国になったらいいのにな。




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最低三ヶ国語

ただ寮にいるだけでも、日本人の友達と日本語で、フランス人の友達とはフランス語で、英語で話すコとは英語で、って、少なくとも一日三ヶ国語を使い分けてる。。


ものすごく大変・・。

どれかの言語でヒートアップして話してる時に、誰か別のコに話しかけられたりすると、瞬時に頭を切り替えなくちゃならない。

で、『あ〜・・あれ何って言うんだっけ〜><』って単語が出てこないと、

とりあえず出てくる外国語で言ったり。。そりゃFranglishも喋ってしまいます。。



面白いのが、前にも書いたけど、

やっぱり私、喋る言語によって性格変わるなぁってこと。

英語が一番性格悪くてフランス語が一番気弱(笑)。なので私を言いくるめたい人は、フランス語で話しかけるといいかもよ。



そしてこんな私が次にやりたいなぁと思っている言語は、中国語とイタリア語。スペイン語ももう一回やりたい(高校3年の時一年間だけやった)。

中国語は、もともと漢字が苦手だし、絶対勉強するもんか、と思っていたら、こないだ行ったロンドンでは友達が皆と一緒に勉強してて、中国人の友達にも教えてもらったり、私も筆談したり・・ なんか楽しくって、音も短いのに意味が凝縮されてる感じで、好きになったw

話せたら絶対便利だろうし、なのでちょっとやってみようかなぁ・・と、思ったのです。



あーぁ、ドイツ語はすっかりもうどこかに消えてしまいましたね(笑)。


I really have to swich my mind.
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言語クライシス
フランス人の友達でも、何か宿題を教えてもらっていて、なんかちょっとでも間違うと、わりとすぐ怒り出すことが多い。

『え、普段あんなに穏やかなのに・・』とびっくりしつつ、教えてもらう。

秋学期の超厳しい先生だったら怒るの分かるけど(事実彼女はチョークを折った)、普段は優しい友達までも・・

どんなにフランス人が自分達の言葉に愛着を持つようにしつけられてるか分かるような気がします。

要するに彼らは、フランス語が誇りでたまらないのだ。

これが原因で、「フランス人は英語を話さない」、「フランスでは英語が通じない」などと言われるけれど、それはまた別で、少なくともパリでは英語は通じますのでご安心を。観光客と間違えられて、こっちがフランス語喋ってんのにむか○くぐらい英語で接客してくれるから(愚痴が現れてますねー)。



確かにどうして彼らがこれ程までにフランス語に愛着を持つのか分かる。

だってかわいいもん。きれいな言語だもん。

性別や数量によって厳密に分類されて、体系づけられている、複雑な語尾変化を持つ言語・・。

フランスには1635年(!)リシュリュー卿設立による、アカデミー・フランセーズという学術組織があって、何をしてるのかって言うと、辞書の編集が主な仕事のようですが、忘れてならないのはフランス語の保存と純化、という目的。



何か外来語がフランスに入ってきた時に、まずアカデミー・フランセーズが誇るフランス語の達人、その名も「不滅の40人」が集まる会議にかけられ、その外来語が、まずフランス語では男性名詞に属するのか、それとも女性名詞になるのかを決めるのだ。

なので当然、任天堂のゲーム・ボーイがフランスに入ってきた時、同じく会議にかけられたらしい(笑)。

も〜う嘘のような本当の話なんだからまったく(笑)!

しかも友達のフランス人は、「あたしは”ゲーム・ボーイ”は女性名詞だと思う」って言ってて、ほとんどの他の外来語もそうであるようにゲーム・ボーイも男性名詞だと決定したらしく、それを知っていた私は、

「でも実際は男性名詞でしょ?」と聞くと、「でも納得いかないわ、私には女性名詞のように響くのよ」と言っていて、日本人である私は、

「でもゲーム・ボーイだし・・ 和製英語だし・・ 英語では何の意味も指さないだろうし・・」と言うと、

彼女は「そうね」、とうなづいたのでした(和製英語の辺りに納得したらしい)。。



このアカデミー・フランセーズの会員は各界から傑出した人々の中から選ばれている。栄えある初の女性会員は、ベルギー生まれでパリ育ち、そしてアメリカへと移住した(そこで国籍も取得)、マルグレット・ユルソナという人。



そして他にも、例えばウォークマンなどの外来語がフランスに入ってくると、もともとフランス語に存在するウォークマンに当たる単語を使えと、アカデミー・フランセーズは「ウォークマン」という外来語の使用を禁止にする。

なので"baladeur(ばらどぅー)"と言うことが義務づけられた時代があるらしい。辞書にも「ウォークマンの官薦語」と出ている。





これ程までにフランス語の純化を志しているアカデミー・フランセーズなのだけれど、アメリカ映画の影響なのかグローバライゼーションの結果なのか、「フランス語をフランス語として保つ」というのは難しく・・

"realiser(れありぜ)"という英語の"realize"に当たる単語も、もともとは?実現させる、?テレビ・映画を監督するという意味だったのに、

英語の"realize"の影響で、実感する、分かる、という意味が生まれてしまった。



この様に、英語によるフランス語での英語的な言い回し、借用語のことを、フランス語で「アングリシズム(anglicisme)」と言う。

身近な例で言うとweek-endもそうで、フランス語でもweek-endと言うし、他にも英語の"Let's go!"に当たる”On y va(おに ば)!”も、

英語の影響で今では"On y go(おに ごー)!"と言うのが(若者の間では)かっこいいらしい(ちなみにこれをイギリス人の友達に言ったら、皆、「ダサいよ・・」と言ったのでした)。

先生も生徒がちょっと英語の意味で解釈してた単語を使って間違えると、「それはアングリシズムだよ、危ないからね、気をつけて!」と声を大にして言っていて、その横でイギリス人の女の子はむっとしていたのでした(笑)。



アングリシズムはアカデミー・フランゼーズにとったら敵もいいとこだろう。フランス語崩壊の危機!とでも言いそうである。

でもねぇ・・。言語ってものは人によって話され、発達していくものだから、どうしようもないよね。

逆に言い返してみると、言語は人に話されることによって発達していったのだから。

日本でも最近、カタカナとか平仮名(も?)を組み合わせて作ったギャル文字ってのが生まれたけど・・ (”ナニ”で「た」って読むやつ)

これも言語学的に見ると、日本語において新しい文字方式が発達したのは実に、平安時代に平仮名が生まれて以来初(!)だったらしく、インタビューを受けてとある言語学者は、テレビで、

「平仮名も女性によって女文字として発達した。いつの時代も女性は創造性が豊かなのを象徴しているのかもしれませんね」と言っていて、『ふーん、なるほどね』と思ったのでした。



アカデミー・フランセーズが躍起になってフランス語の純化に努めるのも分かる。だって本当にきれいな言語だもの。

でもと同時に、どの言語においても人が喋って使っていく限り、言語というものは変化する。

日本語にも今は外来語がいっぱいだよね。こないだの広辞苑の編集は、ほとんどが外来語、つまりカタカナ語の追加編集で大変だったらしい。あ、それで思い出したけど、フランスにおけるアカデミー・フランセーズは、日本で言う国語審議会かな。





言語クライシス。それはアカデミー・フランセーズのようなピュリスト、純正語法主義者を襲う。

外来語の登場、存在によって、各言語の持つオリジナルティーは脅かされている。

だけどそれは同時に矛盾していて、言語は人が喋って使っていく限り、変化し続ける。そうして今日の言語が出来上がったと歴史を辿ることもできる。

まぁフランス語においては、平気で過去形のひとつである複合過去の用法は20世紀前半からそれまでのものとは変わった、とかさらっと言っちゃう国ですので、もっともっと歴史が深いのかもしれませんが。


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英語の方が大事?
そもそも私がフランスにやって来た理由のひとつは、フランス語を習得すること。そして、英語とフランス語を使う仕事に(hopefully)就くこと。 なのにどうやら世の中では、フランス語はさほど重要ではないらしい。 

前に友達の引越しパーティーで出会った日本人の女の子。モード(ファッション)が学びたいと思ってフランスにやって来た。

さっそくモード学校に入学しようとすると、「あなた英語が話せないからだめ」、と言われたらしい。「フランス語より英語のレッスンを受けて来なさい」と。



他にも、私と同じ学校に登録してる日本人の女の人達で、週2回、パリ市が開いてる区の英会話学校に通うことにしたらしい。

「英語話せるようにならなきゃ〜〜」。



フランス在住十年のとあるお友達。

「英語?英語はだめっ、英語だけはだめっ。やめて、話しかけないで〜〜!」と言っていた。



この様に、フランス語はべらべらだけど英語はまったく・・って人はけっこういる。けっこう出会った。

ずっと英語専攻で来た私は不思議に思ってしまう。『どうして英語の方が簡単なのにフランス語が話せるの?』と。



だってね、英語の方が動詞の活用だって遥かに少ないでしょ、あったって三単元ぐらいでしょっ。英語には便利な助動詞ってものがあるじゃない。

それにね、名詞に性別だって(もうほとんど)ないじゃない。冠詞だって数でしか変化しないじゃない。

スペルだって一度覚えてしまえば後は極めて規則的じゃない。発音もフランス語よりはクリアーじゃない。



なのにどうして、英語の方が・・・・・・・・・・(注・英語を馬鹿にしているわけでは決してない)。

私はフランス語を覚えたいの!!



私はフランス語がとても好きだから余計不甲斐なく感じてしょうがない。

世界でもフランス語の運用頻度が英語に比べて遥かに少ないのだって分かってる。

昔は国連の公用語だったのに・・(まぁ今でも国連で働くには修士の次に最低条件ですが)。まぁ難しいからだよね。流行らないからだよね。



でもあたしは大好きだけど。声を大にして言いたいと思います。あたしはフランス語が大好きだー! うおー! (ふぅ。。)



どんなに必要じゃないって言われたって、英語の方が大事って言われたって・・ フランス語話せなくていいって言われても・・

私はフランス語をやる。習得したい。きれいに話せるようになりたい。

だってとっても素敵な言語だから。深い歴史があるから。流れるように聞こえるから。その間に文化が垣間見えるから。



絶対無駄にはしたくない。何かにつなげてみせる。

それが仕事じゃなくても・・ ずっと続けていく。これからもずっと好きでいる自信がある。

私は続けるよ。きっと自分の糧になるから。人生を豊かなものにしてくれるから。そう信じて。


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役に立つ学問
こないだ授業中ふと、『役に立つ学問て何だろう』と考えてみた(ていうかこんなこと考える前に授業に集中しろ。。)。

今までに聞いたことがあるのは、役に立たない学問ナンバー1は考古学で、第二位は私のちょい専門でもある言語学、らしいです、えぇ。



一時期、『語学専門ってどうだろう』と悩んだこともあったんだけど、

それでも自分の出した結論は、「何も学ばないよりいい」ってこと。

何も学ばないより、脳みそのしわは増える。頭の体操になる。何より教養になる。

その外国語を話す人と、同じ喜びを共有することができる。世界で話せる人が増える。



『役に立たないから』って投げ出してしまって何もしないよりはずっとまし。

勉強って、そもそも役に立つことを前提としていないのかも。あくまでも自分の趣味みたいなものなのかも。

後々、知恵となって、教養となって、または話のネタとなって自分のところに返ってくる。



就職するには、法律とか経済専攻の人の方が有利なんだろうなぁと思っていたんだけど(これを悩み出すとキリがない)、

先日イギリスで出会った男の子は同志社の法学部で、この話をすると、

「いや、日常社会では法の知識は役に立たないし、まったく就職に関係ない・・」、だそうです。



これにはびっくり。そうなの?そういうものなの?

私なんてtotally language majoredだから、一般教養専攻の人がうらやましいんだけど・・・



一番恐ろしいのは、一般教養専攻で語学ペラペラの人。言っちゃうけどさ。

ただ喋れるってだけじゃ、何もならない。一般教養の知識は何もない。

これではいけない。何か専門、と、自信を持って言える勉強をしなくては・・・。それを模索し続ける日々です。



でも、前に友達が言ってくれた素敵な言葉(Yeah, it's you, Yuki chan!)。



「語学専攻って、なんだかマイナスなことだけに考えていたんだけど、言葉専攻の私達は、外国語でさえも相手に気を遣ったり、細かいニュアンスまで扱えるんだって思うと、そうそうマイナスじゃないんじゃないかなって。それが言葉として大切なことじゃないのかなって」。



そうだ。そうだそうだ。

ただ喋れるだけじゃなくて、外国語でさえも、細部まで気を遣えて正しいニュアンスを使い分けできる、そんなスピーカーにならなくては。

そしてそれを、どうして正しいのか言語学的に説明できるようにならなくては(言い過ぎ??)。

ノーベル賞でも取らない限り、学問ってものは、自分にリターンは返ってこないのかもしれない。

でも、勉強は、自分の力にはなる。糧となる。人間的な深みと面白みを与えてくれる。



そう信じて。今日も学校に行ってこようと思います。。(文法の授業が12時から14時になって、生活スタイルが変わった。。なので朝ネットしてる。)
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