Previously, mari's paris life


"La France traverse une phase de vulgarite. Paris, centre et rayonnement de betise universelle" - C. Baudelaire :p
スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

- -
日本を好きになって
えーとですね。個人的なことをあまり書かないように、そのつもりでずっとこのblogを続けてきたわけですが(こう書くと、『既に十分個人的だよ〜』と言われそうではありますが)、今付き合ってる人がですね、非常に面白いので、ちょっとその彼について書きたいと思います。



前出の・・ 既に、「多面的な人」、及び、「Super friendly」な人なわけですが、付き合い始めて早一ヶ月。いろんな面白い言動、発見がありました。

違う国出身の人と付き合うのは初めてではないものの、特に日本に興味がある、もしくは日本語を勉強している、日本が好き!というわけではない異文化出身の人と付き合うのは初めて。今の彼はスウェーデン出身で、大学入学資格を取得後、一月から半年間、フランスに留学しに来ている人。すなわち、まだ大学に入ってはいない!8月中旬に入学式があるらしい。なんて奴・・。子供じゃないかぁ。私はもう、二年半も大学でやったつーの。普通に進級してたら、もう4回生だっつーの。まわりの友達は就職活動してるっつーの。それがあなたはこれからfreshman。私は帰ったらjunior、そしてseniorだっつーの・・・・。まったく年こそ一個しか違わないものの、やってきたことが違い過ぎて、嫌になってしまいます。。

そして私が年の差を卑屈に感じていると、



「そんなマリ〜。マリは21歳風に振舞わないじゃない」、と、なぐさめなのか何なのか、訳の分からないコメントを・・・・(涙)。

年を言うなぁ、年をーーー。



私は日本出身で、彼も日本のアニメや漫画、ゲームがそこそこ好きなものの、とりたてて日本という国に興味があるわけではない。

母国語のスウェーデン語はもちろん、スウェーデンでは10歳から始まる英語教育によって英語もぺらぺら、両親はアルジェリア出身なのでフランス語もほぼ完璧に話し・・そしてアラビア語も解し・・・ 常々、「僕の話す外国語は、全部子供の頃から来てるんだ。何かまったく新しい、変わった言語をやりたいよ」という彼の希望、つぶやきにより、時々日本語を教えている。まぁ、ちょこちょこフレーズを。

誕生日には、日本語ひらがな・カタカナ練習帳をプレゼント。いつ勉強しているのか知らないが、気が付くとそこそこ読めるようになっていた。何か日本語が書いてあるものを見ると、読める文字を見つけては、つぶやいている。例えば、



「『あ』と『お』って似てるよねぇ、これはどっち?」、とか(笑)。



私が爆笑していると、「そりゃ読める人には似てないだろうけど、完璧に違う文字だろうけど、分からない人にとっては似てるんだって!」と言い張った彼。

また別のとある日には、



彼:「まったくなんで文字が二種類あるの(漢字除く)?」

「同じ言葉でも、ひらがなで書くかカタカナで書くかによって、ニュアンスが変わるからよ」と私(この時はまだ冷静)。

彼:「僕みたいな分からない人には、どうだっていいよ・・。一個でいいじゃない」、と奴は言い放った!!!



日本語は表記に深さがある言語というか・・。確かに彼の主張も分かるのですが、同じ言葉でも、ひらがなで書くかカタカナで書くかによって、ニュアンスが変わると思うのは、私だけでないはず。

今までは日本語が好き、という人に会う方が多かったので、「どうだっていいよ・・。一個でいいじゃない」なんて言われるとですね、



?『む、喧嘩売ってるな、こいつ』

?『しょんなこと言われても・・二つあるんだからどうしようもないじゃない!ニュアンスが変わるんだってば』

?『そんなこと言わずに、日本語を好きになって〜〜(涙)。』

?『大体日本語は難しい難しい、なんで文字が二種類もあるんだってよく言ってるけど、そういうあなたはアラビア語だって話すじゃない!あの難しそうなアラビア語を(怒)!!』



・・とですね、以上の様な複雑な感情が一気に私を襲ってきてですね、言い返すのに疲れてしまうわけです。思わず言葉を失ってしまうわけです。最も、日頃のコミュニケーションはフランス語で問題無いので(幸運にも)、彼が必ずしも日本語をマスターしなくてはいけない需要はさらさらないのですが(そんなことになったら私だってスウェーデン語やらなくちゃいけないだろうし)、「何かまったく新しい、変わった言語をやりたいなぁ・・」と言ったのは自分。あなたよあなた。もう覚えてないわけ?と私は思うわけです(心の中で)。

極め付けには、「カタカナってださくない?ださいよ・・・」と奴は言い放った!

この反応を聞くのは実は初めてではなく・・前にも、イギリス人の先生が同じようなことを言っていたので、まだ大きな気持ちで聞く私。

まぁ確かにね、カタカナってかくかくしてるし・・硬いよね。直線だしね。しかし、20%ぐらいの小さな怒りを覚える瞬間・・。



ちょこちょこフレーズを教えていると書いたけれども、彼が覚えたフレーズと言えば、?むかつく、?腹立つ、?最低、?くそ(まったくののしり言葉ばっかり!私は教えたくなかったのですよ〜、私は!!)、?お父さん・お母さん、?〜でしょ?、?相槌の、そうそう、?うん、ううん、?小泉純一郎・・・ と、これはフレーズじゃなぁ〜い!



「"Premier ministre(総理大臣)"を付けたらどう言うの?」と聞かれて、「そうりだいじんこいずみじゅんいちろう」と私が言うと、『ひゅうう!!それは無理だぜ』という顔を彼がしたので、私は、「無理じゃない、言えるってば」と反論。そして何故か、って別に自然なことなのですが、彼的に小泉首相のフルネームは難しいらしく、普通にローマ字読みで読んでくれればいいものを、何故かスペイン語風に、



「コイズミ、ユンイチロウ」と読む。

「ユじゃなくてジュ!」と私が言うと、なぜかそこが難しい様子。なぜにスペイン語で読む・・。"Jyu"は「ジュ」だよ・・。



その他にも、フランス語で言う"Attention(あとんしおん)"、「気をつけて」が難しいらしく、彼的に長い、と感じるらしい。

長いと言ってもですよ、「きをつけて」。たった、5文字なわけです。これが長いと言われちゃあ・・・ スウェーデン語の、「う゛ぉーしゅぐーと」、私が知っている、数少ないスウェーデン語のひとつ、「どういたしまして」はどうなる!!ひらがなでこうやって書くより、もっと複雑じゃないか!!音の平坦な日本語を難しいと言われちゃあ・・・ 母音が16個もあるフランス語はどうなるよ。。



こないだの金曜日の夜、お好み焼きを作った。正式に言うと、作ってあげた。

19歳でスウェーデンからやって来て、初めての一人暮らしなのは分かる。そう、彼はまったく料理が出来ない。普段何食べてるのか謎。ちゃんとしたキッチンがあるにも関わらず。

まぁパスタとかは作っているらしいものの(ってそんなの茹でるだけじゃい!)、頻繁にマックをテイクアウトしてるようだし、私としては、『あなたの健康が心配です』と思うわけです。口に出しては言わないものの。



そんなこんなで日本食を作ってみることに。彼的にも、いろいろ食べてみたいらしい。

『日本食と言ってもなぁ・・。何作ろう』と考えに考え、そしてちょうどこの日のパリは、気温30度と猛烈に暑かった!

『冷やしうどんでもいいかも。』と思っていると、部屋の食料品ダンボールの片隅に、お好み焼きの粉を発見。

『普段屋台のクレープ(ニュテラ、もちろん)よく食べてるし・・お好み焼きでもいいかも』と思い、早速メールで聞いてみることにした。本人に聞くのが一番、いっそ、選ばせたらいいんじゃぁ〜んと思い。



"J'y reflechis encore... Laquel t'attire le plus? Des nouilles froides ou bien une crepe salee(まだ考えてるんだけど・・ どっちの方が強く惹かれる?冷たい麺か、ごはんのクレープ)?"と聞くと、すぐに返事が返ってきた。



"Une crepe salee pourrait faire un coup(クレープの方が一撃をくらわしてくれるだろう)..."と、予想通りの返答が(やっぱりクレープ好き)。



他にもダンボールの中をごそごそ見渡していると、インスタントのわかめスープが出てきて、『お好み焼きに合うかも』と思い、持っていくことに。

お好み焼き自体は豚肉をのっけ、食したわけですが(彼的にもグーだったらしい◎よかった)、お好み焼き一枚で、予想以上にお腹いっぱいになってしまった私達は、「スープなら入るかも」、ということになり、わかめスープを試してみることに。



確かにわかめや海苔などの海藻類や、外国人にとって異色の食べ物であるのは分かる。我々日本人は、お味噌汁の中にも入れるし、お寿司に海苔は欠かせないし、『ん、何これ』と疑問に思うことはないと思う。

彼もまったくダメ!というわけではなかったようですが、「どう?大丈夫?」と聞くと、「んー」と少し考えて、



「んー・・(まだ考えている)。そんなにビッグ・ファンってわけじゃないけど、大丈夫。おいしいよ」と言った。ビッグ・ファン・・・(笑)!

そして海苔も日本人はよく食べるよねぇと言う話になって、

「なんでそんなに海藻類を食べるの?」と一言。彼の瞳は好奇心と不思議な光で満ちていた・・。



その他にも面白エピソード(?)は山程あり・・・

ある日、マレ地区という、パリのユダヤ人街を歩いていると、日本の無印良品(パリにも進出しています)の横を通った。無印は日本のメーカーだよねぇという話になって、彼が一言。

「いつも同じような色でつまんなくない?服とかさ、いつもカーキか赤、黒、白、茶色だ」。



こないだ私がDVDをいくつか買って、その中のひとつに、ソフィア・コッポラの"Lost in translation"があった。スカーレット・ヨハンソンもビル・マーレーも大好き。この映画の中の東京も、coolで好き。なのに鑑賞後の彼の感想と来たら、

「本当にあんなにネオンばっかりなの?あんまり日本に行きたくなくなったよ」。正直って素晴らしい〜〜〜。けど、がく。確かに自然溢れる、湖のほとりに住んでいるというスウェーデンでの環境に比べたら、日本に来たら、彼は呼吸困難を起こしてしまうかもしれない・・・(大げさ)。



ある日、クラスのコで集まって飲んでる時、韓国人の女の子が韓国のタバコをネットで買いだめていた。そのコが持っていた、韓国語の、「タバコは毒です」みたいなパッケージに書いてある文字を見て、

「この文字かっこいいねぇ!!」と大興奮。



彼に、日本は向いてないのかもしれない・・(涙)。彼の興味は、お隣・韓国に行ってしまったようです(涙)。。





・・・と、いろんな発見がある毎日を過ごしているわけですが、彼のこの様な率直、かつ、核心を付くコメントを聞く度につい反論してしまう自分に対して、改めて日本語に対する自分の愛着、また、日本という国に対して、少なからずの愛国心を感じるわけです。自分が『なぁ〜んだあたし、日本のこと好きじゃ〜ん』と感じるのは、こういう瞬間。誰かまったく違う、新しい文化出身の人と話していて、初めて浮かび上がる、異文化という一面。そしてその異文化に対して、自分がどう感じるか。始めにも書いたけど、いわゆる外国の人とお付き合いしていて、日本に興味のある人ではないのが初めてなため、非常に面白い。今までは、「日本語ってきれいだよね」、「ね」、で終わっていた会話が、違う広がり方をしていく。彼の目を通して見える日本という国は、今まで出会った大半の外国人が賞賛してくれたものとはまったく違っていて・・ その度に私も新しく気付くことがあり・・面白いのでした。



まぁ日本のことを好きになってくれたら嬉しいけどね。強制はしないさ。


文化視察 comments(2)
忘れないよ、どんな瞬間も。どんな景色も。

今は永遠。



img20050530.jpg

-----
フランス生活(留学) comments(0)
cool
待ち合わせに向かっているある日の夕方、偶然見つけた。何かの写真展の広告だと思う。かっこいいメッセージではありませんか。そうだね、私も信じているよ。奇跡。



cool.jpg

-----
フランス生活(留学) comments(0)
なんだ、こいつ
img20050526.jpg
火曜日の午後、友達と、近くのデパートでやっているファッション写真展を見に行ったら、出会った、こいつ。

会場のカーペットにいました。なんだ、こいつ・・。なんかちょっとかわいいぞ。
フランス生活(留学) comments(4)
バカンス中の早起き
無事テストも終わり・・バカンスに入ったわけですが、ちゃんと朝、起きています。

大体毎朝8時頃。もそもそと起きては下に降りて、朝食を取る。



よっぽど遅くまで遊んだ日や、疲れている時は、遅くまで寝ちゃうかもしれないけど、えぇ、それは十分ありえるけど、

残り時間あとわずか、いよいよ一ヶ月になって、少しでも多く時間を使っていたいのです。時間は大事。寝てたら、すぐに消えちゃう。



学校は終わったはずだけど、何か毎日忙しい。充実しているのはいいことだ。今を楽しまなければ。それに、『バカンス中なのに朝ちゃんと起きてる、私!』って、気分いい(笑)。誰に対して、ってこともないけど。いや、自分に対してか。



天気も昨日から急に上り坂。一気に30度近くまで上がっています。こうなると暑い暑い。Tシャツ、あったかなぁ〜・・。


-----
フランス生活(留学) comments(0)
春の果物
おとといスーパーに行ったら、苺が売っていた。

けっこういっぱい入って、1,85ユーロだった。思わず籠に入れてしまった。日本より安い、と思い。



帰ったら、すぐに洗って食べた。ヘタもちゃんと取って食べた。

真っ赤な色がきれいだったので、白い器にもった。牛も喜んだ、もう(ごめんなさい)。



img20050526.jpg

-----
フランス生活(留学) comments(0)
フランス語の私
学校のおかげか、アルジェリアの血を引く彼のおかげか(これだけは絶対に認めなくないぃ。だって悔しいか・ら!)、私のフランス語は、今一番脂が乗っている。



友達にも、「マリが話せるようになったのは、○○とつきあい始めてからだよねぇ。だって前は、何話してるか分からなかったもん。彼のおかげだね」とか言われて(ていうかこの人だってスウェーデン人なんですけど)、大否定しといた。

違います違います。たまたま、頭の中で体系づけられていた私のフランス語が、滞在の終わりが近づくとともに、いい具合に時間が経ち、すらすらと出てくるようになったのです。決してスウェーデン人のくせにフランス語ぺらぺら、の彼のおかげではありません(ちなみに他のスウェーデン人と同じく、英語もぺらぺらなので、私の英語の間違いももよく直される。爆笑している。これも悔しいぃ〜・・。勉強しなくては。一応、英語専攻の私。)





以前、話す言語によって人の性格は変わるか、というテーマで話を書いた時、その頃は今程喋れなかったので、自分でも、フランス語の私がどんな「性格」になるのか、楽しみ、と書いた覚えがある。

あの頃は、どうなるのかまったく検討が付かなかったけど、今になると、至って普通。別に、変わらないかもしれない。



これはいいこと。変に性格とんがるんじゃなくて、日本語の時の私に一番近い、と自分では勝手に思っている。

のんびりしているし、言いたいことは言うし、あいずちも打つし、熱くもなり、涙する(ごめん、後半ちょっと嘘)。

フランス語を話してる自分は好きだ。なぜなら音がかわいいので、発音出来ている限り、うれしいし、幸せに感じる。喋っていて心地よい。いろんな音を作り出していて、口の動きが面白い。



大学を休学してフランスにやって来て、学校に通い、その学校もついに終わり、留学自体が終わりに近づいて、本当に、ここまで来ることが出来てよかったなぁと思う。ほっとする。

そうそう、私知らなかったんだけど、後期の私がいたクラスのレベルは、「上級?-2」という名前で、"2"という数字が「上級?」の中でもレベルを更に細かく分けているんだけど、数字が小さいので、おそらく一番下の方、正確に言うと、下から2番目なんだろうなぁ・・と思っていたら、先日の期末試験会場で出会った友達に、



「え、違うよ!数字が小さい方が上なんだよ!だからマリちゃんの"2"は、ほぼ"Pre-Universitaire(ぷれ・ゆにべるしてーる)"、『大学入学レベル』なんだよ!」と言われ、猛烈に驚いた。全く知らなかった。てっきり、数字が小さい方が下だと思っていたので、『せっかく上級でもなぁ・・ちぇー、一番下の方か』、と思い、後期を過ごしていたのである(笑)。



そう言われてなんだか納得。そりゃあんなタイトルのエッセイ書かされるわ・・。先生も熱入ってるわ。。もうちょっと上級であることを意識して、誇りに思い(?)、後期を過ごせばよかった・・。



まぁ、終わったものを振り返っても仕様がないのでやめますが。後はこのフランス語を、どうやってつなげるか。復学した時もそうだし、おそらくするであろう就職活動にもそうだし。

私一体、どんな仕事をするんだろう・・・?こう不思議に思ってるのは、私だけじゃないはず。皆、no ideaよね(笑)。
言語学チック comments(2)
個人主義万歳
普通に生活しているだけで、フランスは本当に、個人主義がまかり通っている国だなぁと感じることが出来る。



メトロには、折り畳み出来る補助席が着いていて、満員の時は使ってはいけなくて、立って、少しでもスペースを多く取った方が他の人のためにもいいんだけど、『まだ座れるかな』、ってぐらいの混み具合だと、皆立たない。平気な顔して、座り続ける人多数。

その座り続ける人のすぐ横で立っている人は、ぎゅうぎゅうの中、ちょっと横目でその人をにらんでる。

でも座っている人は涼しい顔。変わらず、本なんか読んじゃって。ちょっとぐらい肩が当たったって気にしない。



その他にも、道の真ん中で止まる止まる・・。急に、立ち止まるのだ。

切符が出てこない、地図が見当たらない、携帯が鳴っている。理由は、それぞれだと思いますが、その後ろを歩いている私は急にぶつかりそうになる。一応"Pardon(ぱるどん・失礼の意)"と言いますが、『どっちだか〜・・』と思うのは否めない。。



私が住んでいる地区の最寄り駅は、なぜか降りる人がいつも多くって、まぁ、住宅街だからなんだけど、そのせいで、いつも、出口付近のエスカレーターは混んでいる。

パリでも、一応左側を空けて、急いで先へ行く人のため、通りやすくするのですが、やれ出口から出たら右へ並ばなくちゃいけないので、せっかく出口の扉が三つあっても、すぐに右に移動しなくちゃいけない。

なので、自然と詰まる。人の波は流れない。



ついでに言うと、パリのメトロの出口に改札はなくって、切符を辺りに捨てちゃう人も多数いるけど、いつどこで検閲が待っているか分からないので、最後まで持っていた方が無難です。切符を保持していない場合、もしくは本当に無料乗りしちゃった場合は、高い罰金取られます。外国人だからって容赦ありません。検察員の皆さん、英語だって喋ります。観光客の多いパリ、さすが・・。



まぁ、当然切符は買うもの、買ったら最後まで持っているもの、という「自己責任」というルールにのっとった、スタンスなんでしょう。ドイツが発祥と聞きました。これも、さすが。



さっき無料乗りって書いたけど、パリのメトロの改札は、簡単に飛び越えれちゃう。もしくは、前の人にぴったりくっついて、入ることも可能。私も何度が頼まれた。「すいません、一緒に入ってもお邪魔じゃないですか?」ってね(笑)。こういう時だけは丁寧なんだから〜。もちろん、何も言わずにぴったり体だけくっつけて、一緒に入ってくる人もあり。私は定期持ってるからしたことないけど、飛び越えてる人がいたって、窓口の人は知らん顔。何も言わない。『もしこの先検閲があったら、あなたの責任だからね、私は知らないわよ』とでも言いそうな顔。これも、同じく個人主義だと思う。



こんな風潮が手伝ってか、フランス人は冷たいと思われがちだけど、そうではない。と信じている。

曲がりにも何も、一応ラテンの血が通っている彼ら達。イタリア人とは従兄弟です(担任の先生の名言)。ちょっとでも興奮させちゃうと大変。お酒が入ってると大変。踊り出しちゃう人だっている。『普段静かなのに・・』ってね。まぁ、そのギャップが面白いんだけど、もちろん。



個人主義に関しては、先日えくすぽぜの中でも話したんだけど、日本の方がひどいだろう。

こないだも学校の帰り、バスに乗っていて、満員だった。高齢者用の補助席は、満員の際よりスペースを作れるようメトロと同じく折り畳めるようになっていたけど、皆、座っている。

とあるバス停で、足の悪い女性が乗ってきた。友達と一緒に。

満員だったので、皆その女の人に気付かなかったってのもあるけど、彼女は強かった。"Putain, qu'est-ce qu'on fait, il y a plus de place(くっそー、何やってんのよー、もう場所ないじゃない)!"と、大きな声で叫んだのだった(笑)。



これには皆反応して、すぐに近くの補助席に座っていた女性が、席を譲っていました。譲ってもらった側の女性も、さっきまではそんな剣幕だったのに、"Excusez-moi(すみませんね)"と言って座っている。

席を譲った方の女性は、少し離れた、別の補助席を譲られている。譲った側の女性は、私のすぐ隣に立った。

席を譲った女性は新しく席を譲られ、席に着く。『誰が譲ってくださったのかしら』ときょろきょろした後、隣に座っていた女性に「どうもすみません」とお礼を言うと、

「私じゃないのよ、彼女です」と、席を譲った、今は私の隣に立っている女性を指し、譲られた女性は「あら、そうだったんですの、どうもありがとうございます」と言う。



こんなことが、私の目の前で繰り広げられた訳だけれど、こういう一面に出くわすと、必ずしも、フランス人って、個人主義だとも言い切れない。東京では、日本ではなかなか目にしないような、優しい一面が日常にはけっこう溢れている。

日本だったら、誰が譲ってくれたのか目配せして探すだろうか。隣に座っている人は、それを教えてあげるだろうか。そもそも、お礼を言うだろうか。

こういうとこは、フランスの方が好き。譲った方も、譲られた方も、気持ちがいいから。変に気を遣われていなくて楽だと思う。



また別の日には、アジア人の女の子(どうやら日本人らしいとその後判明。同じ学校だった)が、お年寄り専用の席に座っていて、そこに一人のおばぁさん登場。手には、杖を持っている。

明らかに座っているアジア人の女の子は私よりも若いので、席を譲るべきなんだけど、私が目にした限り、そのコは目をそらした。おばぁさんが、すぐ近くまで来ているのに。

気まずかったのかもしれない。『あ、やばい。この席お年寄り優先席だ』って。『でもどうやって譲ろう。とりあえず目合わせなきゃいいっか』って。分からないけど。



でもその杖を持ったおばぁさんは強かった。(そのおばぁさん「も」、って言うべき?)

壁に貼ってある「お年寄り優先席」の丸いシールを指差すと、『だから私座るから』という合図。そのコもとっさに立ち上がり、そのおばぁさんが席に着いた。

私は少し離れた所からその様子を見ていて、ほっとした。と同時に、自分の権利は堂々と行使する、フランス人らしい一面を目撃。

優先席に座るのは私だ、私はそういう年だと、堂々と彼女は言うことが出来る。その女の子がずっと座っているべきではない。





個人主義も、いい面と悪い面があると思うけど、足の悪い女性にしても杖を持ったおばぁさんにしても、自分が適用されるであろう権利を、堂々と行使するってのは市民として、気持ちがいい行為だと思う。そしてそれを、当たり前の様に受け入れる、他の市民。

身近であって、一番難しいはずの行為が浸透している。それが、フランス式個人主義。まぁ、満員電車で補助席から立ち上がらないっていう神経は、迎え入れることが出来ませんが。。

そんな皮肉も込めて、「個人主義万歳」というタイトルを付けるに至りました。今回。


文化視察 comments(2)
大人の国
フランスは私にとって、大人の国だ。前にも精神年齢の話で書いたけど、サービスが悪い点も、電車が静かな点も、責任はすべてこちら側に委ねられているようで、試されている気がする。

実は私は、パリで露出狂に遭ったことがある(笑)んだけど(それもメトロの通路で!)、あれは忘れもしない、フランス七ヶ月記念日の日・・。

その時も、きっと、フランス人の女の人だったら『ふん、何よ』ってなぐらい強気なまま、横を通って行くかと思いますが、あまりに驚いた私は小走りで逃げた。怖かった・・ フランス人らしく(おそらく)、積極的な露出狂だった・・ 近づいて来たからね。あれは本当に怖かったです、はい。私がフェミニストになったらあのせいです、絶対。



ものすごーく話がずれたけど(笑)、何が言いたいかって、そうそう、フランスは大人の国ってこと。

カフェのテラスでのお喋りも、昼間からのビールも、煙草も、大人の方が似合う。スーツを着た男の人や、仕事帰りのおじさん、女の人達。そして、こんな憧れから、おそらく、フランスの高校生も、早々に煙草を吸っちゃうのでしょう。それはそれでまた、社会問題になっていますが。



街のあちこちに溢れる恋人達も、犬を連れて歩くマダムも、バゲットを片手に家へと急ぐムッシューも、すべて、皆大人だ。

書類ケースを持って、眼鏡をかけたマダムも凛としている。

高校生や大学生は、若さを楽しむと同時に、早く大人になりたいという様な風貌をしているし(私の想像する限り)、子供でも、しっかりコーディネートしている。皆、お洒落だ。



赤ワインも、白ワインも、ショコラ・ノワール(ブラックチョコレート)も、大人の楽しみ。煙草はどうだか知りませんが。

フランスに来るなら、お酒が飲めるようになってからの方が楽しいだろう(笑)。おいしいお酒で溢れているからね。ワインが安い。チーズもおいしい。アルコールだけは、オリジナルの物で自慢できる国、それがフランス。炭酸飲料は、皆、アメリカ、ドイツのものです。コーラやシュワップスね。



しかし、そんなフランスが、私にとっての大人の国が、最近日本という国の影響で、アニメや漫画や、若者を始め、大人の間でも人気らしい。

街にはポップな柄のバッグがたくさん売られているし、ハロー・キティーも根強く人気。キティちゃんのバッグやTシャツを着た人をよく見かける。雑貨屋さんでもシールや文房具など売ってる。ただし高いです、輸入キティは。。



これもね〜・・ いい影響だとは思うんだけど、なーんか納得いかない。特に、漫画については、相変わらず健康的に受け止めることの出来ない私です。キティちゃんは私も好きだからいいけど(ってわがまま!)♪



モンマルトルという地区、サクレ・クール大聖堂のあるすぐ近くの通りに、日本の雑貨で溢れた、小さなお店がある。日本だったらどこでもよく見かける、なんてことない雑貨達を、一挙に売ってるお店。Tシャツからペンから、下敷きや鏡。シールにマグカップ。

入り口のガラスには、日本の雑誌から取材を受けた時のインタビュー記事が貼ってあって、思わず読んでしまった。オーナーだという写真の男の人は、レジの一角に座っている男の人と、まったく同じだった。値札を貼るので忙しくしている。



「昔フランスでは、日本のアニメが好きと堂々と言える風潮はなくて、どことなくタブーという感じで、誰も話さなかった。でも、僕らが生まれ育った80年代は、フランスでもアニメに火が付いた頃。幼稚な世代と言われるかもしれないけど、こうしてお店をやっていて、ビジネスをやっているんだから、幼稚とはこれ以上言わせないよ」。

・・というオーナーの彼の意見は、幼稚な世代と呼ばれる自分の出身世代と、こうしてお店を経営している、大人としての彼の一面を、上手く両立していた。確かにね、的は得ていると思う。



「けっこうな年のおばぁちゃんとかがやって来てさ、マグカップとか買って行くんだ。『こういうのずっと欲しかったの、探してたの』って」。





彼の様に、ばっちりビジネスまでされちゃうと、それはもう幼稚な行為ではないし、筋は通っている。日本のかわいい雑貨だって、彼の好みなのだろうし、好きなものを売る商売は大きな喜びであろう。

しかし、私にとってフランスという国は、大人の国なので、その様な雑貨で溢れる日本の子供文化があまりに浸透しちゃうと、複雑な気持ちを覚える。正直なところ。



やっぱり日本がフランスでa la modeになるのは、漫画文化なの?アニメ文化なの?子供文化?それだけ?

そうじゃないと、日本は流行らない?ただの、つまらない国・・?



私は、フランスには大人の国でいて欲しい。走り続けて欲しい。日本のようなアニメ文化が浸透して、街にはアニメのキャラクターの顔付きTシャツを着た人だってよくいて、「漫画大好き!」というフランス人の若者で日本語学校は溢れる、なんて異色の一面も、現代フランスを形作っている大きな一部だけれど、それも事実だけれど、彼らにとっての憧れの国・日本出身である私は、大人の国フランスこそが、ずっと憧れであった。ただの日本人の、かわいい女の子として見られたくない、大人の女性として扱って欲しいと思わせる国、フランス。そのフランスが、今、日本の子供文化に大きく影響を受けている・・・



皆、ずっと、大人の振りはしていられない。本当の大人って、何歳からなるものなのかも知らない。私だってやっと21歳になったばっかりで、小さい頃思い描いていた21歳とは程遠いけど、『こんなに自分は子供なのか』って、愕然とする時が相変わらずあるけど・・

『大人の国なんだろうな』と、漠然と思い描いていた、私にとって憧れの国、フランス。

それがここに来て、子供文化に帰っている。それも、主な原因は日本だ。もちろん、フランス社会全体とは言いませんけど。

フランス大好きで、本当にフランスにやって来てしまった私は、このため複雑なのでした。まぁ、個人的な理由なのでした。すみませんねぇ。ちゃんちゃん。
-----
文化視察 comments(0)
最後のカフェ
5月17日火曜日、この日が、私にとって、授業の後皆で行く、最後のカフェになりました。

水曜日も木曜日もまだ授業はあったけれど、14時からすぐ他の授業(大講義、しかも最終試験!)があったので、カフェに行くことが出来なかったのです。



火曜日は過去の試験問題を2つやり、答え合わせをし、問題も解き、授業は終了〜。

すぐに外に出ると、いつもの様に校舎の前に集まる。すぐに誰かが、「じゃあどうする?カフェ?それとも?」って言って、移動する。

たぶん私だけが、『あ〜・・実は今日が最後なんだよなぁ・・』と感慨じみている。悲しい。



奥にあるソファ席に着くと、おばさんが、すぐに注文を取りに来てくれた。「ノワゼット・アロンジェ、アロンジェ、カフェ・クレーム・・・」。

あっちではスウェーデン語、こっちではフランス語を話してる。私はゆりこちゃんと正面の席で、ちょっと日本語で話してた。



ゆりこちゃんには、「たぶん、私今日が最後のカフェなんだ」と言ってあったので、最後にお店のおじさん(私のことが大好き(笑)。)に頼んで、皆で写真を撮ってもらう。彼は、私がもう来ないと知ると、「え、マリどこ行くの。日本に帰るの?あそれなら僕も一緒に行くよ」なんて言ってる。



お店のおじさん・おばさんともすっかり顔見知りになっちゃって、「またねー」と言っていつも別れるのに、もうこの光景は一生ない。

この日も「またねー」と言われたけれど、涙をこらえながら(ちょっと大げさ)、

「私・・たぶん今日が最後なの。明日もあさっても、普段の授業の後すぐ別の授業があるから、すぐ行かなくちゃいけなくて。もう来れないと思う」と言うと、そのお兄さんは、

「じゃあ金曜日に」、と笑顔で言ってくれたけど、金曜日は土曜日が最終試験なこともあって、なぜか学校がお休みなのです。。



「授業が終わっても、皆国に帰っても、毎日14時からこのカフェで集まるよ。ドイツから、スウェーデンから、日本から、アルバニアから」と最後まで冗談を言っていた私達だけど、これからはもうこんな日々が続かないんだなぁと思うと、決して大げさではなく、悲しくなってしまいます・・・。



3月の中旬頃から、ほぼ毎日来ていたであろう、放課後のカフェ。日課になっていた。

このカフェの楽しみがあったからこそ、辛い授業も受けてきた、と言っても過言ではない。日本の大学に戻ったら、絶対に懐かしくなる・・。この感覚が、抜けないんだろうな。それできっと、一人、恋しくなったりするんだろうな。

カフェという身近なフランス文化を、ここパリで、毎日体感した私達でした。



img20050519.bmp
左から、ロリン(アルバニア出身・パリの大学で、法律を学ぶらしい)、ゆりこちゃん(未来のスタイリスト!)、フィリップ(ドイツの大学を登録するのに、手こずっている・・)、アナレナ(スウェーデンでは舞台女優だった)、ちょっと疲れている私、それからちょっと隠れている、私の彼でもあるムニール、同じくスウェーデン人のジェスペールは、元ジャーナリスト、もうすぐ本を出版するらしい。読みたい!



毎日、こんな感じでした。仲のいいのが伝わってくるでしょ?


-----
フランス生活(留学) comments(0)
1/2PAGES >>