Previously, mari's paris life


"La France traverse une phase de vulgarite. Paris, centre et rayonnement de betise universelle" - C. Baudelaire :p
スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

- -
ソルボンヌの素晴らしき秘書課
妹が、もうすぐフランスへ留学する。長期滞在するのはフランス南部の学生街だが、早めにパリへ入り、一ヶ月語学学校に通う予定だ。大学で、フランス人学生に混じってか、日本での専攻である経営学部に入り?一年間奮闘すると言う?事の大きさを、果たしてどれだけ理解しているのか私は心配でたまらない・・。だから当然、夏の間通うのに、私立の語学学校ではなく私も通った、ソルボンヌの文明講座を勧めた。ここなら、その後大学へ入るに当たってふさわしい、例えば書く力など練習できると思ったからだ。発音矯正の授業もいいしね音符まぁ、かわいい妹のことが心配でならない姉心と思ってもらえばよい。これでも、「DALFでも取っていけ!」と言ってやりたいのを必死に抑えている(汗)。



それで、ソルボンヌの夏季講座に通うことにしたはいいが、昨夜、まだしていなかったという仮登録をすべく、ソルボンヌのサイトにアクセスして、前金として100ユーロをカード決済した。しかし、彼女がパリに到着する日が数日程初日の授業に間に合わない日程になっており、クラス分けテストにも参加できず、遅れて授業に参加する形になるため、それでも登録できるか、本当に問題ないのか、この点を確かめたく秘書課へ問い合わせることにした。一応、何日か前に、妹の友人である日仏学院でスタージュをしていたフランス人の友達が、ソルボンヌの秘書課へ電話してくれ、問題ないと言われたと確認してくれてはいたのだが、なんせフランスのこと。それも秘書課のこと。誰がそう言ったか、ましてや誰からの問い合わせだったのかなんて、誰もメモなど残してはいない。容易に想像できる。だから私は、今一度ソルボンヌに確認のメールなり電話しておくことを勧めた。まぁ、メールなど送っても、返事が返ってくる方が奇跡に近くて、ましてや季節はバカンス前であるし、何も期待できないし何も保証してくれるわけでないが・・、それでも気休めにか、確認したのだと後々言い張るために、メールより手っ取り早い、確実な、電話で問い合わせすることを勧めた。



妹が、電話して、フランス語でこれこれこうだと問い合わせるのは不安だとのたまったので(これからフランスに留学するってのにだ!)、代わりに私が電話する落ち込みフランスのフランス人と話すのは私も久しぶりだったので、いくらか緊張したが、それでも電話せねばならない。担当者の名前だって聞いてやる。私は強気で挑んだ。フランスにいた頃を思い出した。アロカシオン取得までの戦った日々を思い出した。ソルボンヌの秘書課の、電話番号を入力する。すぐに外国式の呼び出し音が聞こえてくる。しばらく鳴ると、女性の声がした。"Oui bonjour!?"・・やっぱり強気だ。でも思ったより明るい、優しそうな女性の声だったので、私は少し安堵して、「夏季講座についてちょっとお伺いしたいのですが」と早口に言った。すると、電話口の女性は何も言わず、突然ブツッ。電話が転送されたらしい、何も言わず。これで、秘書課の担当者へつなげてくれるのだと思ったが(いやでも、最初から秘書課の電話番号にかけたはずだぞ?)、やはりそれは甘かった。電話をどこかへ転送してくれたらしいが、一向に別の呼び出し音が鳴るばかりで、誰も電話に出ない!どうなっとんじゃ!とキレるのはまだ早い。しばらくそのまま待っていると、優しい声の男性が電話に出た、というはずはなく、なんと、ブツッとまたまた切られたのである。フランスの時刻は、夕方5時ちょうど。秘書課の驚くべき受付時間、つまり彼らの勤務時間か?は、朝10時から12時、そして午後2時から4時まで。・・つまり、一日4時間しか働いてないってこと?



思うに、最初のマダムが電話に出ただけでも奇跡だったのであろう。久しぶりに、なんともフランス式に対処されたもんである。きっと彼女も、『やっと帰宅できるのに電話かかってきちゃったよ、ったくめんどくさいわね、ま、一応出とくか。つなげてやるフリして切っちゃお』とかなんとか思ったはずである。受付時間はとっくに終わってんだから、電話になんか出るわけないわよ、とでも言いそうなのが伝わってきた。暗黙に私も了解した。・・さすがである。



思い出した。お昼休みである12時以降しか、秘書課に用事があって尋ねて行くことはできなかったというのに、私の貴重なお昼休み、それ以外はすべて授業、そんな時、彼女達のドアはぴしゃりと閉まっているのである(秘書課ってなんとなく女性かなって、「彼女達」にしてみましたドキドキ大)。大きな古い、木の扉は、無残にも閉まっている。ノックしても無駄。中で、「また誰か勘違い野郎が来たわよ」ぐらいにしか思ってなさそうである。帰ろうとしてる時に、電話なんか(たとえそれが、遠く離れた、なおかつ高い国際電話を承知でかけている、日本からであってもだ)出るわけないでしょ、そんなとこであろう。容易に想像がつく・・。



素晴らしき、ソルボンヌの秘書課。あれ、この場合、素晴らしきって形容詞はソルボンヌに掛かるのかしら?それとも・・・。また今夜、今度はもうちょっと早い時間に電話してやらう。そしてかわいい妹を、少し遅れるが無事授業に参加させてやるのだ!姉は燃えている。
ふらんす comments(2)
Il pleut sur la ville...
img20070718.jpg

-----
ふらんす comments(0)
働くフランス人に、畏れ慄いて
東京に引っ越してきて、一ヶ月とちょっとが経った。しかし先週、うーん、まずい。引っかかってしまった。・・あまり詳しくは書けないけれど、先週の四日間、とあるフランス系銀行の日本代表オフィスで働いていた。まずはアルバイトとしての、エッセイ(お試し)だった。この四日間で、私に適性があると判断されれば、翌週からは本格的な試用期間がスタート。7月いっぱいやってみて、良ければまた8月いっぱい、試用期間第二段が始まる。そしてそれが良ければ、9月から正規職員(ただし契約社員扱い)で、という話だった。



業務内容にはフランス人ボスの補佐が含まれていて、秘書のようにボスの予定をコーディネートしたりするのかと思っていたら、どちらかと言って、在日8年のボスが、日本語が分からない時に助ける(補佐、か?)、頼まれた仕事をこなす(マーケティングリサーチという名の、簡単なネットで検索)だけであった。



フランスの銀行ということで、年5週間のバカンス(有給休暇)が法律により義務付けられている・・をとっさに思い出して、一人で興奮して、今回もケースでは・・キラキラ『5週間なんて、5週間なんて!』とかなり期待を膨らませた。他に求人を募集していた、某フランスの映画配給会社でも、募集の広告に、「有給4週間」と明記されていたからだ。



しかし。待っていたのは、フランスの会社(外資)でもない、日本の会社でもない、特殊な環境だった。福利厚生などの待遇も、例外ではなかった。



5週間のバカンスだなんて、最初から存在しなかった。フランス人は働かないとよく言われるが、どちらかと言ってよく働きになられるようなボスは、「何を言っているんだ、Non、non、カレンダーの赤い日だけが休みだよー」と、バカンス大好きフランス人らしからぬ、名言を残しているらしい。しかし、だ。普通だったら、「カレンダーの赤い日だけが休みだなんて、なんて勤労意欲のある、素敵(がどーか分からんけど)フランス人なの、ボスったら!」になるのである。しかし。彼は私が勤めた四日間、毎日10時半に出社しては17時半になるとそそくさと、かつ明るく帰っていく!「ぼんそわれー、良い夕べをー月」と祈ってくれるのは忘れない。18時近いと、彼にとっては大問題のようだ。大慌てで帰宅していく。一体何があるというの?オフィスにいる間も、彼がしてることといったら、メールのチェック、ネットで調べ物(検索)、私達にFAXを送って欲しいと頼む・・・だけのように見えた。あ、たまに取引先と電話している様子も見受けられた。隣の部屋からフランス語が何やら聞こえてくる。



パリ出身。高校からして、ソルボンヌのお隣にある有名校。当然のようにPの付くエリート校に入学。その後はフランス政府のとある省庁にご就職。大使館でも長らく働いていたらしい。そして今、この銀行で働いている。典型的な、お役所人、政府関係者の肩書きを持つ彼・・。フランスにある当銀行本部も、ここの日本支店が特別利益を出すことを期待してはいない。彼は、なんとなくこのポストに就いてるだけではないか?そんな疑問が頭をよぎる。それに加えて、普段の働く意欲のなさ。実務時間は、一体何時間になるのだろう?理由も特に知らされず、午後2時半に出社して、5時過ぎに帰っていった日もあった。年に3週間程、彼は母国フランスへ出張に行くが、「僕だって、その3週間のうち、2日間しか休んでないんだよ、バカンス取ってないんだよ」ともらしたらしい。結論を言うと、私は結局、この銀行で働くのを四日間だけ終えてお断りしたわけだが、一番の理由は、「年末年始は元旦のみ休み」というものである。私は実家が遠く、普通の週末だけ帰省するということができない。年末年始という、私にとって、家族で過ごしたいビッグイベントナンバーワンであるのに、まぁ、どの会社も、しかも一年目は帰省できないものだと思うけど、試用期間を含まない、半年を終えてから、初めてやっと有給(年10日間)を申請できるとあって、実質、私が有給を頂けるのは来年2月から。すぐに、年末年始の気分盛り上がる中、たった一人で、東京の部屋で年を越す、惨めな自分の姿が想像でき、辞めさせてもらった・・・・・・。有給が用意されているのに、取れるのと取れないのだけでも大違いだからである。東京には大勢友達がいるが、そのほとんどが関西なり北陸なり、皆、年末年始は実家に帰っていく。かと言って、東京に実家のある友達の家へお世話になるのもいかがなものか・・・。私はそこまで想像した。一人でシャンパン空けて新年をお祝いしたくない!No!ただでさえイベント時にひとりぼっちは耐え難いというのに、よりによって年始はごめんである・・。真剣に悩む私を、一緒に暮らす妹は冷たい目で見た・・・・・・・。私が号泣したからか(恥)。



たまに、いる。たまに、働くのが好きなフランス人が・・。

彼らに出くわすと、皆、同じ印象を得るものだ。エリート校出身で、現在もいいポストに就いている。何もしなくとも高給取り。

バカンスを取るか取らないかは別として、仕事大好きフランス人というものが、極少数だとしても存在している。なんて稀有な存在なんだろう。しかしながらこのボスも、例外ではなかった・・・・・。



まぁ、私がこの銀行を辞め(させてもらっ)た理由は、休みのなさだけでは無論なく、既卒だが新卒とは何ら変わりないヒヨっ子の自分にとって、いろいろ社会のルールを学ばなければならないのに、大事な一社目に、安心してできない・・・そういう、別の理由ももちろんあったからだ。詳しくは書かないけれど、このボスにだけは、なんだか安心して付いていくことができないなぁと、漠然と感じた次第である。



働くのが好きなフランス人には、今後plus ou moins、注意しなければと思う。そして、私がこの性格ゆえ、恐れずに、「申し訳ないが大事な一社目にするにはこれこれこうで、迷っている、今日で辞めさせてもらいたい」と、今後のことを打診してきたボスに(フランス語で)伝えたところ、昼下がり、14時の新宿オフィス街に、突如放り出されたのは言うまでもないだろう・・。契約上は、その日も19時まで勤務予定だったのだ。日給1万円が、半分になった瞬間であった。


-----
ふらんす comments(0)
1/1PAGES