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2017.07.14 Friday
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クライシスなお年頃/ age de crise
2008.03.27 Thursday
なんかちょっと、アタマイタイコ風のタイトルを付けてみました。インディアンです、こんばんは こないだ民族衣装っぽいワンピースを着て三つ編みにして、お昼を食べた後ふらふらと歩いていたら、同じ会社のYおじさんに出くわして、「あーどこのインディアンかと思った」と言われた。その後はNさんに、「赤毛のアンみたいですね」と言われた。赤毛ではない。・・ったくYさんの皮肉は絶妙だぜ。
実は(でもないけど)、もうすぐ誕生日を迎えます・・・。誕生日なんてだいっきらい・・・!数字だけ増えてくようで、いつもに増して多感な、自暴自棄な一週間を過ごしているような気がします(-_-) あーー数字だけ増えて、中身は何も、増えていってないような気がするの・・・。かろうじて定職はあるけれど・・人生にとって大事なもの。なんだろう。それが甚だしく欠けているに違いない!とにかく私は、性格が悪過ぎるなぁー・・。24歳の目標は、いい人になる!と決めた次第です(と決意したのは、最近T子に借りて観ている、グレイズ・アナトミーの影響だ。グレイズ・アナトミーと言えば、出てくる患者の9割がみんな腫瘍がないかい?Tumor's Anatomy(腫瘍の解剖学)にいっそ名前を変えたらどうだろうか)。
こないだ、静岡の、私の裏彼氏Gお坊さまのお家を突撃訪問して、ありがたーいお言葉をいただきまして。何を聞いたかすっかり忘れた・・・・なんて言えない。途中のコンビニで、私達一同は「は!何もおみやげがない!」とはたと気付いて、そのまま手ぶらで華麗にご訪問 後日、お手紙を書いて何かお礼をお送りしたひ・・と思って、現時点で数日が経ってます、えへ。何がいいかしらー、やっぱり地元のお菓子かしらと思って、今日は暇だったので仕事中ひたすら検索してみたよ。○○堂なり○○堂なり、みんなネットで買えるのね、なんて便利な世の中なの・・・。そんなサイトばかりを見ていたら、遙か彼方へ(いつの間にか)消えていたホームシック魂がめらめらと復活してきてさぁ大変。GWのチケットは取ってるけど・・・今すぐ帰・り・た・い・・木曜の夜に書くと、テンション変ですね。うふ。・・ごめんなさい。
あー・・・。どーあがいても、あと数日で24歳になってしまう。避けられない事実・・・。中身はこんなに子どもなのに、だ。いっそ誕生日なんてなくていい。普通の日だったらいい。自分について、いつも以上にいやでも考えさせられる日。あーただパーティーだけして軽ーく過ごしたいのに、どうして頭はこんなにも重いのか。日本の神様、フランスの神様よ、誰でもいいからどうか教えて欲しい。悔い改めます!・・・荒れています。
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実は(でもないけど)、もうすぐ誕生日を迎えます・・・。誕生日なんてだいっきらい・・・!数字だけ増えてくようで、いつもに増して多感な、自暴自棄な一週間を過ごしているような気がします(-_-) あーー数字だけ増えて、中身は何も、増えていってないような気がするの・・・。かろうじて定職はあるけれど・・人生にとって大事なもの。なんだろう。それが甚だしく欠けているに違いない!とにかく私は、性格が悪過ぎるなぁー・・。24歳の目標は、いい人になる!と決めた次第です(と決意したのは、最近T子に借りて観ている、グレイズ・アナトミーの影響だ。グレイズ・アナトミーと言えば、出てくる患者の9割がみんな腫瘍がないかい?Tumor's Anatomy(腫瘍の解剖学)にいっそ名前を変えたらどうだろうか)。
こないだ、静岡の、私の裏彼氏Gお坊さまのお家を突撃訪問して、ありがたーいお言葉をいただきまして。何を聞いたかすっかり忘れた・・・・なんて言えない。途中のコンビニで、私達一同は「は!何もおみやげがない!」とはたと気付いて、そのまま手ぶらで華麗にご訪問 後日、お手紙を書いて何かお礼をお送りしたひ・・と思って、現時点で数日が経ってます、えへ。何がいいかしらー、やっぱり地元のお菓子かしらと思って、今日は暇だったので仕事中ひたすら検索してみたよ。○○堂なり○○堂なり、みんなネットで買えるのね、なんて便利な世の中なの・・・。そんなサイトばかりを見ていたら、遙か彼方へ(いつの間にか)消えていたホームシック魂がめらめらと復活してきてさぁ大変。GWのチケットは取ってるけど・・・今すぐ帰・り・た・い・・木曜の夜に書くと、テンション変ですね。うふ。・・ごめんなさい。
あー・・・。どーあがいても、あと数日で24歳になってしまう。避けられない事実・・・。中身はこんなに子どもなのに、だ。いっそ誕生日なんてなくていい。普通の日だったらいい。自分について、いつも以上にいやでも考えさせられる日。あーただパーティーだけして軽ーく過ごしたいのに、どうして頭はこんなにも重いのか。日本の神様、フランスの神様よ、誰でもいいからどうか教えて欲しい。悔い改めます!・・・荒れています。
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夜中に爪を切る
2008.03.05 Wednesday
夜中に爪を切っては云々という言い伝えだか迷信がある。この先を書くと悲しくなるのでやめておく。しかし、夜中に・・と言っても、毎晩寝る前に、夜中がまずいのであれば翌朝タイツを履く前に切ろうと思うのだが、朝になるとやっぱり時間がなくて、伸ばしっぱなしになっている。このままでは靴を履く度痛むと思ったので、ついに切った。夜だったが構わず切った。フランスにいた頃も、爪を切る度にこの迷信を思い出したが、私はひねくれているので、フランスの夜は日本の朝だと自分に言い聞かし、構わず切った。そして日本にいる今は・・・。私を溺愛している母が、私が爪を伸ばしっぱなしにして、そのうちどの靴も履けなくなり、巻き爪ができ、血は流れ、痛い痛いようと私が泣くことの方をきらうと思ったので、こうして夜に、切った。ろくに明かりもつけずに。肉を切ってはどうしようかと一瞬思ったが、大して痛くないだろうとえいと切った。肉は切らなかった。血も流れなかったし、巻き爪もできないだろう。
ところで巻き爪と言えば、別にヒールを履いていたわけでもないのに、高校生の頃、なぜか重度の巻き爪ができたことがあった。余りにも痛むので、冗談抜きで私は眠れず、そこで私が取った行動とは・・・なんと119番に電話したのである。当然家族は寝静まっていたし、誰を起こすのも可哀想であったし、自分でマキロンをふっても大して痛みは引かないことが分かっていたので、どうしようもなくて、情けないと思ったが痛さには変えられないしで電話した。・・・高校三年生だったと思う。後に大学で、友達に話すと、「もう少し小さい頃の話であって欲しかった」と苦笑いで言われた。最もだと思う。後日家族に告白すると、恥ずかしいから外では言うなと言われた。真っ暗な部屋で、119番に生まれて初めて電話をかけると、真面目な声で救急隊員の方が出てくれた。巻き爪なのに、真剣に処置方法をアドバイスして下さった(が、足を上向きにして血流と逆の方向にして寝るとか、朝になったらすぐに整形外科に行くというものであったと思う)。それでも、真剣に「もしもしどうしましたか」と出てくれた時の安堵感は一生忘れないであろう。
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ところで巻き爪と言えば、別にヒールを履いていたわけでもないのに、高校生の頃、なぜか重度の巻き爪ができたことがあった。余りにも痛むので、冗談抜きで私は眠れず、そこで私が取った行動とは・・・なんと119番に電話したのである。当然家族は寝静まっていたし、誰を起こすのも可哀想であったし、自分でマキロンをふっても大して痛みは引かないことが分かっていたので、どうしようもなくて、情けないと思ったが痛さには変えられないしで電話した。・・・高校三年生だったと思う。後に大学で、友達に話すと、「もう少し小さい頃の話であって欲しかった」と苦笑いで言われた。最もだと思う。後日家族に告白すると、恥ずかしいから外では言うなと言われた。真っ暗な部屋で、119番に生まれて初めて電話をかけると、真面目な声で救急隊員の方が出てくれた。巻き爪なのに、真剣に処置方法をアドバイスして下さった(が、足を上向きにして血流と逆の方向にして寝るとか、朝になったらすぐに整形外科に行くというものであったと思う)。それでも、真剣に「もしもしどうしましたか」と出てくれた時の安堵感は一生忘れないであろう。
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読みたい欲求2
2008.03.05 Wednesday
とてもいい本に出会った。書き手ももちろん、とてもいい。よい本に出会うことは、生きていく上での大きな幸福の一つであると思う。出会いとも呼べると思う。社会人というものに無事なってから、自分の睡眠時間の確保がまだまだ第一と、若くて、余裕がなくて、ろくに本を読まなかった。ところが、この書き手に出会ってから、寝る間も惜しんで読んでいる。さすがに日付が変わる頃には眠るようにしているが、久しぶりに、読みたい欲求に再会して、とてもうれしい。そして、読むと、今度は書きたい欲求に駆られてくるので、こうして平日の夜中に書いている次第だ。これからは、長たらしい真面目なだけの文章だけでなく、こうして、日記的にどんどん短い文章も書いていこうと思う。人の文章を読むと刺激を受け、自分の文章を書こうという気になってくる。いい兆候だと思う。リフレッシュにもなる。しばらく、この読みたい欲求が続くといい。そしてそのうち、瞬く間に悪化して、実家にあるありとあらゆる書を東京の部屋へ運びたくなるのだ・・!
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知らない人の車に乗ってはいけません(普通は)
2008.03.04 Tuesday
忘れそうなので書いておこう。あの、パリでの面白い出来事を。
その日私は発音矯正の授業へ行くために、モンパルナス駅付近でバスを待っていた。ところがバスは、一向に来ない。来るのは学生の一丸だけ。・・ストが始まるようだった。車道さえも、若い、エネルギーに溢れた学生達は、己の社会を変えたい怒りのみを盾にして、陣取っているのだ。中には車道に座り込んでしまっている者もいる、完全に。
このような姿を見た瞬間から、あぁもうバスは来ないなと半ばあきらめた。そして、私は正しかった。ほんとうにバスは来なかった。バス停にいる人々は、皆苛立ちを覚え始めている。いつまで待ってもバスは来ない。皆、車道に陣取る学生のように、社会に激しく憤りを覚えた学生の時期があったはずなのに、今ではバスが来ないことの方が重大な事実で、いらいらを隠せないでいる。何人かはあきらめて、メトロに変えたようだ。バス停を去るものがいる。私は半ば意地になって、来ないバスを探し続けた。車道では相変わらず、少しヒッピー風の格好をした若者が群がっている。
バス停には、私の他に、でかい荷物、いかにも旅行帰りという風貌をした若者(それでも私よりは年上)と、きれいなスーツを着た、アフリカ系のムッシューだけになった。手には、上等なアタッシュケースを持っている。
そのうち、誰ともなく話し始めた。「まったく困ったね、一向にバスなんか来ない。○○へ行かなくちゃいけないのに、てんで困ったよ」などと。
皆、一往にして困り果てている。私は、発音矯正の授業に遅れてしまう事実が避けられないでいるし、かと言って歩くにはそう遠くないのだが坂があったりして授業のある内には絶対に辿り着けないし、いらいらには行き場がないし、かと言ってこれで授業に堂々と出席しなくていい理由ができて、少し嬉しいような、子どものような気持ちで、その場の会話に参加していた。適当に、「えぇほんとに困りましたよね」という風に。
そのうち、上品なムッシューが喋り出した。「まったくマニフェスタシオン(ストライキ)だなんて」。やれやれという仕草をしている。ところがこのムッシューは言ったのだ。「私の車が近くに停めてあるから、送りましょうか」。
バス停にてその申し入れを聞いていたのは、すでに私と、その、いかにも旅行帰り風の若者しかいなかった。私は一瞬耳を疑った(そのムッシューに、少しだけきつい、アフリカ訛りがあった)。だけれど、送っていきましょうかと申し出てくれたのはやっぱり事実であるようだし、現に、隣の大荷物を持った若者は、構わないなら是非、という返事をしている。
幼い頃から、知らない人の車に乗ってはいけませんと言われてきた。その言葉が一瞬脳裏をかすめたし、今だって、こうして書くことで両親に怒られそうで怖く感じているが、もう3年も前の出来事だし、私はこうして無事に生きているしで、時効だろうと書くことにする。
そして、そのムッシューは、身なりはもちろんのこと、銀色に、だけど上品に輝くアタッシュケースをしっかりと握りしめていて、物を大事にする人に悪い人はいないだろう、とか、道で暮らしているアフリカ人達なら絶対に付いて行かないのだけど、きちんとしたスーツを着ていたし、上品な物腰だしで(そう、非常にゆっくりと比較的小さな声で喋る人であった)、私は直感的に、この人に付いて行っても大丈夫、それに、この若者も一緒だし、と思い、判断を下した。そしてこの若者と一緒に、ムッシューに付いて行った。
「そこの、駐車場に停めてあるから」と行って、まずはすぐ近くの駐車場へ行った。ムッシューは自分の車を探すが、「見当たらない・・」と言う。
そこで、ん、何かおかしいと感じて、これはまさか私の勘は外れたか、ほんとうに危ないかもしれぬ、引き返そうと思ったのだが、ムッシューの、穏やかで優しいアフリカ訛りのフランス語が、悪い人ではないという空気を終始醸し出していたし、それにその若者も疑うことなく、重い荷物を持ったまま移動しているので、なんだか二人のことをほおっておけなくなり、そのまま二人に付いて行った。
自分の車をどこに駐車したかなんて、忘れる人の方が稀有だと思うが、そのムッシューは例外だった。駐車場を出て、そのまま外へ歩き出したかと思えば、一つ通りを入った。ムッシューはずっと、おかしいな、おかしいな、一体どこへ停めたっけなどと一人でぶつぶつ唱えている。私はいい加減、「この人は、ほんとうに自分の車というものを持っているのか?すべて、これは私達を連れ去ろうとしているだけなのでは?」という気になってきた。そう考えると、自分の車をどこに停めたか分からない人を目の前にして、笑いがこみ上げてきて、少し、顔がにやけていたかもしれない。若者は、相変わらず重い荷物をかついだまま、ムッシューに付いて行く。私はこの二人に少し距離を置いて、このまま立ち去ることなどいくらでもできた。すでに発音矯正の授業は始まっている。
観光客向けのホテルなどが立ち並ぶ通りまで来ると、「あぁ、あった!こっちに停めたんだったか」とそのムッシューは言った。彼の指差す先には、大型の、銀色のベンツが停まっている。『あぁ、ほんとうに車は存在していたのか』と私は少しほっとしてから、若者を見ると、「どうして自分の車をどこに駐車したかなんて忘れちゃう人がいるんだろうね、おららー、どうかしてる」と早口で罵ったかと思った後、そのムッシューは快く、若者の大荷物を車のトランクに入れるべく、促している。さっきまで愚痴を漏らしていたくせに、若者は快く、荷物を入れてもらっている。私は後部座席のドアを開けると、座った。
「さて、皆さんどこまで?」とムッシューが聞いてくる。若者は、「ムフタールの辺りまで」と言う。私の授業がある先も、ちょうどその辺りだったので、私は「パンテオンの裏辺り」とすかさず申し出る。やっぱり、少しだけ緊張している。当たり前だ、先程バス停で出会ったばかりの人の車に乗り込んでいるのだから。
車は走り出した。まずはムッシューが自己紹介を始めた。聞けば、生まれはアフリカだけれど、ベルギーで弁護士をしているとのこと。パリでは会合があり、やって来ているらしいこと。バスで行く予定だったがストのせいで・・・とぶつぶつ言った。ほほうー、道理でいい身なりなのだなと私は即座に理解した。安心したのは間違ってはいなかった。ヨーロッパではベンツは普通である、タクシーだってBMWやベンツだったりする。しかし、やはりこのムッシューは、いい人だったのだ。
次に若者が自己紹介を始めた。「僕は、たった今どこそこから戻ってきたばかり。今から彼女の家に帰る。彼女はソルボンヌで哲学を専攻していて・・・」と話し出して、哲学のことをphilo(ふぃろ)と、学生言葉で略して喋ったのが印象的だった。若者は半ば体を乗り出して、自己紹介している。ソルボンヌ、という単語を行った辺りで、私は自分のタイミングを理解した。若者は「で君は?」と言ってくれた。「私はこの通り日本からの留学生。ソルボンヌでフランス語を勉強しているわ、今からその授業に行くところ」とかなんとか言ったと思う。ムッシューがバックミラー越しに覗いてくる。やっぱり、優しい瞳をしている。
完璧に校舎を知らせてしまうのはさすがに怖いと感じたので、パンテオンの横辺りに差し掛かった頃、私は車を下ろしてもらった。若者は、もう少し先まで乗せてもらうそうだ。
私はすっかり安心しきって、快活にありがとうとさようならを言うと、若者は気前よく、若者らしい笑顔で手を振ってくれた。ムッシューは冷静な顔を保ちつつ、バックミラー越しに目を合わせてくれた。
私は、残り10分となった発音矯正の授業へ向かった。教室にはそっと入った。授業は通常通り行われていて、オレンジ色した顔の先生が、何やら説明していた。遅いわよマリとかなんとか言われたかもしれない(先生はゲイではなかったと思うけど、なぜか心の中ではいつも女言葉で喋っている)。
それからあのムッシューにも、若者にも、二度と出会わなかったけれど、なんとも不思議な、面白い体験をしたなぁと思う。あのまま、誘拐されていた可能性も大いにあるし、思い出すと、ふふっ、私ってすごいなと思う。ただ、あのムッシューが、とても冷静で、小声でぶつぶつと話すような、一見物静かな人であったけれど、青い瞳がどこかとても慈愛に満ちていて、バックミラー越しにとても安心したから、私は送ってもらうことに決めた。それから、銀色に輝くアタッシュケースを、大事そうにしっかりと、太い指で握りしめていたのも、印象的だったから(中身が何か、物騒な物だった可能性もあるのに!)。
この話は、あまり多くの人にしていない。その後参加した発音矯正の授業でも、誰かに聞いてもらいたいと思ったが、この不思議な出来事のことを上手く説明できる自信がなく、かと言って、ただの面白話として話すのもどうかと思い、そっと、私の身の上だけに起こった、パリでの不思議な出来事の話として黙っていた。けれど、この様に面白い体験をしたのも、きっといずれ忘れてしまうし(自然に忘れてしまうこと自体に罪はないのだが)、それも大変もったいない気がするので、こうして思い出した次第、書き留めておくことにする。
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その日私は発音矯正の授業へ行くために、モンパルナス駅付近でバスを待っていた。ところがバスは、一向に来ない。来るのは学生の一丸だけ。・・ストが始まるようだった。車道さえも、若い、エネルギーに溢れた学生達は、己の社会を変えたい怒りのみを盾にして、陣取っているのだ。中には車道に座り込んでしまっている者もいる、完全に。
このような姿を見た瞬間から、あぁもうバスは来ないなと半ばあきらめた。そして、私は正しかった。ほんとうにバスは来なかった。バス停にいる人々は、皆苛立ちを覚え始めている。いつまで待ってもバスは来ない。皆、車道に陣取る学生のように、社会に激しく憤りを覚えた学生の時期があったはずなのに、今ではバスが来ないことの方が重大な事実で、いらいらを隠せないでいる。何人かはあきらめて、メトロに変えたようだ。バス停を去るものがいる。私は半ば意地になって、来ないバスを探し続けた。車道では相変わらず、少しヒッピー風の格好をした若者が群がっている。
バス停には、私の他に、でかい荷物、いかにも旅行帰りという風貌をした若者(それでも私よりは年上)と、きれいなスーツを着た、アフリカ系のムッシューだけになった。手には、上等なアタッシュケースを持っている。
そのうち、誰ともなく話し始めた。「まったく困ったね、一向にバスなんか来ない。○○へ行かなくちゃいけないのに、てんで困ったよ」などと。
皆、一往にして困り果てている。私は、発音矯正の授業に遅れてしまう事実が避けられないでいるし、かと言って歩くにはそう遠くないのだが坂があったりして授業のある内には絶対に辿り着けないし、いらいらには行き場がないし、かと言ってこれで授業に堂々と出席しなくていい理由ができて、少し嬉しいような、子どものような気持ちで、その場の会話に参加していた。適当に、「えぇほんとに困りましたよね」という風に。
そのうち、上品なムッシューが喋り出した。「まったくマニフェスタシオン(ストライキ)だなんて」。やれやれという仕草をしている。ところがこのムッシューは言ったのだ。「私の車が近くに停めてあるから、送りましょうか」。
バス停にてその申し入れを聞いていたのは、すでに私と、その、いかにも旅行帰り風の若者しかいなかった。私は一瞬耳を疑った(そのムッシューに、少しだけきつい、アフリカ訛りがあった)。だけれど、送っていきましょうかと申し出てくれたのはやっぱり事実であるようだし、現に、隣の大荷物を持った若者は、構わないなら是非、という返事をしている。
幼い頃から、知らない人の車に乗ってはいけませんと言われてきた。その言葉が一瞬脳裏をかすめたし、今だって、こうして書くことで両親に怒られそうで怖く感じているが、もう3年も前の出来事だし、私はこうして無事に生きているしで、時効だろうと書くことにする。
そして、そのムッシューは、身なりはもちろんのこと、銀色に、だけど上品に輝くアタッシュケースをしっかりと握りしめていて、物を大事にする人に悪い人はいないだろう、とか、道で暮らしているアフリカ人達なら絶対に付いて行かないのだけど、きちんとしたスーツを着ていたし、上品な物腰だしで(そう、非常にゆっくりと比較的小さな声で喋る人であった)、私は直感的に、この人に付いて行っても大丈夫、それに、この若者も一緒だし、と思い、判断を下した。そしてこの若者と一緒に、ムッシューに付いて行った。
「そこの、駐車場に停めてあるから」と行って、まずはすぐ近くの駐車場へ行った。ムッシューは自分の車を探すが、「見当たらない・・」と言う。
そこで、ん、何かおかしいと感じて、これはまさか私の勘は外れたか、ほんとうに危ないかもしれぬ、引き返そうと思ったのだが、ムッシューの、穏やかで優しいアフリカ訛りのフランス語が、悪い人ではないという空気を終始醸し出していたし、それにその若者も疑うことなく、重い荷物を持ったまま移動しているので、なんだか二人のことをほおっておけなくなり、そのまま二人に付いて行った。
自分の車をどこに駐車したかなんて、忘れる人の方が稀有だと思うが、そのムッシューは例外だった。駐車場を出て、そのまま外へ歩き出したかと思えば、一つ通りを入った。ムッシューはずっと、おかしいな、おかしいな、一体どこへ停めたっけなどと一人でぶつぶつ唱えている。私はいい加減、「この人は、ほんとうに自分の車というものを持っているのか?すべて、これは私達を連れ去ろうとしているだけなのでは?」という気になってきた。そう考えると、自分の車をどこに停めたか分からない人を目の前にして、笑いがこみ上げてきて、少し、顔がにやけていたかもしれない。若者は、相変わらず重い荷物をかついだまま、ムッシューに付いて行く。私はこの二人に少し距離を置いて、このまま立ち去ることなどいくらでもできた。すでに発音矯正の授業は始まっている。
観光客向けのホテルなどが立ち並ぶ通りまで来ると、「あぁ、あった!こっちに停めたんだったか」とそのムッシューは言った。彼の指差す先には、大型の、銀色のベンツが停まっている。『あぁ、ほんとうに車は存在していたのか』と私は少しほっとしてから、若者を見ると、「どうして自分の車をどこに駐車したかなんて忘れちゃう人がいるんだろうね、おららー、どうかしてる」と早口で罵ったかと思った後、そのムッシューは快く、若者の大荷物を車のトランクに入れるべく、促している。さっきまで愚痴を漏らしていたくせに、若者は快く、荷物を入れてもらっている。私は後部座席のドアを開けると、座った。
「さて、皆さんどこまで?」とムッシューが聞いてくる。若者は、「ムフタールの辺りまで」と言う。私の授業がある先も、ちょうどその辺りだったので、私は「パンテオンの裏辺り」とすかさず申し出る。やっぱり、少しだけ緊張している。当たり前だ、先程バス停で出会ったばかりの人の車に乗り込んでいるのだから。
車は走り出した。まずはムッシューが自己紹介を始めた。聞けば、生まれはアフリカだけれど、ベルギーで弁護士をしているとのこと。パリでは会合があり、やって来ているらしいこと。バスで行く予定だったがストのせいで・・・とぶつぶつ言った。ほほうー、道理でいい身なりなのだなと私は即座に理解した。安心したのは間違ってはいなかった。ヨーロッパではベンツは普通である、タクシーだってBMWやベンツだったりする。しかし、やはりこのムッシューは、いい人だったのだ。
次に若者が自己紹介を始めた。「僕は、たった今どこそこから戻ってきたばかり。今から彼女の家に帰る。彼女はソルボンヌで哲学を専攻していて・・・」と話し出して、哲学のことをphilo(ふぃろ)と、学生言葉で略して喋ったのが印象的だった。若者は半ば体を乗り出して、自己紹介している。ソルボンヌ、という単語を行った辺りで、私は自分のタイミングを理解した。若者は「で君は?」と言ってくれた。「私はこの通り日本からの留学生。ソルボンヌでフランス語を勉強しているわ、今からその授業に行くところ」とかなんとか言ったと思う。ムッシューがバックミラー越しに覗いてくる。やっぱり、優しい瞳をしている。
完璧に校舎を知らせてしまうのはさすがに怖いと感じたので、パンテオンの横辺りに差し掛かった頃、私は車を下ろしてもらった。若者は、もう少し先まで乗せてもらうそうだ。
私はすっかり安心しきって、快活にありがとうとさようならを言うと、若者は気前よく、若者らしい笑顔で手を振ってくれた。ムッシューは冷静な顔を保ちつつ、バックミラー越しに目を合わせてくれた。
私は、残り10分となった発音矯正の授業へ向かった。教室にはそっと入った。授業は通常通り行われていて、オレンジ色した顔の先生が、何やら説明していた。遅いわよマリとかなんとか言われたかもしれない(先生はゲイではなかったと思うけど、なぜか心の中ではいつも女言葉で喋っている)。
それからあのムッシューにも、若者にも、二度と出会わなかったけれど、なんとも不思議な、面白い体験をしたなぁと思う。あのまま、誘拐されていた可能性も大いにあるし、思い出すと、ふふっ、私ってすごいなと思う。ただ、あのムッシューが、とても冷静で、小声でぶつぶつと話すような、一見物静かな人であったけれど、青い瞳がどこかとても慈愛に満ちていて、バックミラー越しにとても安心したから、私は送ってもらうことに決めた。それから、銀色に輝くアタッシュケースを、大事そうにしっかりと、太い指で握りしめていたのも、印象的だったから(中身が何か、物騒な物だった可能性もあるのに!)。
この話は、あまり多くの人にしていない。その後参加した発音矯正の授業でも、誰かに聞いてもらいたいと思ったが、この不思議な出来事のことを上手く説明できる自信がなく、かと言って、ただの面白話として話すのもどうかと思い、そっと、私の身の上だけに起こった、パリでの不思議な出来事の話として黙っていた。けれど、この様に面白い体験をしたのも、きっといずれ忘れてしまうし(自然に忘れてしまうこと自体に罪はないのだが)、それも大変もったいない気がするので、こうして思い出した次第、書き留めておくことにする。
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フランス人同僚、Aの対策を考えよう
2008.03.01 Saturday
はーーーーーー・・・。みなさんこんばんは。私はこの一週間ぐらい、上がったり下がったり。持ち上げたり持ち上げられたり。避けてみたり避けられたり。なんだか恋の初期段階にいるようで、ほんとうは全然違うお話なのだけど、この調子でてんで参っています・・。私はなぜこんなにも悩んでいるのか!?仕事はおおむね上手くいっています。しかーし。私の仕事柄、フランス人の同僚Aとの関わりが大きくて、彼がいるおかげで私も仕事でフランス語が使えたり、始めの頃は喜んでいたのだけど・・・・。ここ一週間ほど、このAのせいで泣いてばかりな気がする。ほんとにそんな気がする。。。ぐぐぐ。
まぁ彼も、パリにある本社の人間からいじめられているらしいので(情報通の先輩から聞いた。ほんとかは知らない)、きっとAも大変なんだろう。あ、ちなみにこのAとは、前に下の方にちょろっと登場したけど、半分チュニジアの血が入ったパリ人である。だからアラビア語も話せる。タイのビジネス学校かなんかに通ってMBAを取り(おかげでアジアに詳しい)、パリにいた頃にはパリ市内に実家があるにもかかわらずマレに住み(しかもロジエ通り!)、現在東京では、恵比寿・代官山間にある66?の部屋に住み(C'est mon genre de cartier!と言い放った。一体どんだけ給料を家賃につぎ込めるんだ。。)、過去には韓国の会社でも働いていたり、日本ではヴィトンなりソニーなりにいたとか言う、まったく経歴不詳の、毎日違う服と眼鏡(ゆうに30個は持っている)で現れる、superおしゃれな、頭のいい、そう、顔が誰かさんそっくりなあの人だ。。。。。ったく、スターバックスが好き(そう)だという、もしやフランス人のくせしてアメリカ好きか?な点以外(ムーちゃんは超アンチアメリカ)、全部一緒なんですけど。
はー。そりゃさ、顔のことは私側の完全なる私情さ。そりゃ分かってるさ。ちょっと話さないといけない度に、冗談抜きで誰かさんそっくりだからどきまぎしてしまうのは私のせいさ(だってほんとーーにそっくりなんだもん!フランスの神様のいじわるか!フランスの神様は、こんなところでも私をもて遊ぶのか!)。だけどさ、なんだか最近、10回に1回、話しかけると機嫌が悪いような気がするのは、気がするでは済まないよーな気がする気がするの(結局のところ、確証はない・・)。なぜだろう。私の話しかけ方や、フランス語、ましてや質問の仕方が悪いのかなぁとまで考えてみた。だけど、やっぱり10回に1回、いや、5回に1回くらいの割合で(増えてるやん!)Aはほんとうに別人のようになっている。。どうして必要以上にきつい言い方で返されないといけないんだろう、かわいそうなあたし・・・・。こないだは、もうびっくりしちゃって言い返せなくて急いで非常階段へ駆け込んじゃったよ。プリントで顔を隠していたけれど、涙が止まんなかったよ。そしたら同じ会社の誰か(名前分からない・・)が入ってきて、び・・っくりしてたよ(驚かしてごめんなさい。でもこれもAのせいなんです!)。その後、そのびっくりさせてしまった人はどこの部の人か無事判明したわけだが(こっそり探した)、未だに名前は知らなけりゃ話したこともないとゆーオチ。
まぁ、すれ違う度に心の中でしっかりお詫びしておりますけれども。そんなことより私を悩ますAである。
もう、なんなのあいつ・・・。入社当時はもっと優しくなかったかい!?もっと笑顔を見せてくれなかったかい、Aよ!!しかし最近はなんだ。なんだなんだ。わたしゃ初めて、あんなにくにくしい言い方で「ぷりおりて(優先順位)」と言われたよ。まるでこっちがフランス語分からなかったかのように(分かっとるわい!だからこんなに悩んどるんじゃ!)・・。Aはその時、ものすごいこわい顔してたよ。えぇ、血も涙もなくてけっこう。どうせ仕事場だけの関係ですから。『友達になれそう!すごく気が合いそう?』と感じた私がバカだった。Aは超おしゃれさんなので、私のmiumiuのバッグ(えぇ買ったさ!買ってやったさ!)に対して例に漏れずつっこんできたって、私がmsnのアイコンにしてるギャド・エルマレの写真に対してつっこんできたって、『わー同じ話ができる 彼も好きなんだ!』と喜んだ私を、まるであざ笑うかのように・・・最近冷たいAよ。なんなんだ一体。え?
昨日は、『あーこれまた頭の痛いことがやって来るわ、某S社から・・』と思って、Aに伝えに行った私は、思想だけでなく行動にさえもその困ったわ感が出ていたらしく、無意識に、左手を左の頬に当て、なんとなく斜めになったままAのところへ向かっていたらしい。するとAは言った。頭の痛くなることを皮肉るより先に(そう、Aも誰かさんに負けず標準的なフランス人と同じく超超皮肉屋である)、私のそのポーズを見て!なんと真似してきたのである。「おーららーー(とよくフランス人が言うあれを言ったかと思えば)マリ困っているね?困ったね。どうしたの?あん?」だったかな、瞬時にムカついたのでもう忘れたけど(私の勝ちだぜ!ふんっ!)。Aよ。君はもしかして、好きな子をいじめるタイプかい?
それから昨日は、私の背後に気配もなくすっとやって来ては、私は背中を向けているのですぐに気付かず、私の向かい側で仕事している先輩が、「まりちゃんまりちゃん!A来てるよ」と教えてくれた。彼が私のとこに来る時はいつも何か「悪い知らせ」がある時だけなので、何かと思って警戒しつつもびっくりして振り返ると、Aは言ったのだ。
「なんで君はっ、いっつも僕が来ると怖がってるの!あ!?・・・知らせがある(とここで冷静さを取り戻すA)」。
そして私は言った。『負けてはならん!負けるなマリ!言い返せ!』「だってあなたが来る時は、いつも何かしらある時でしょ!」向かい側にいる先輩が拍手している。言ってやったり!私「それで、何?どうしたの?知らせっていい知らせだといいけど」。A「ばーーん(とフランス人がよく言うあれ)、素・晴・ら・し・い知らせだよ。S社が(以下省略)・・・・・・・」と話し出して、ことなきを得たのだけど(?)、もうなんなんでしょうね。「なんでマリはいっつも僕が来ると怖がってるの!あ!?」ってフレーズさ、顔が同じ誰かさんにも過去言われたセリフなんですけど・・・・・・・・・・・・・・・・これって偶然?それともやっぱり、顔が同じ人は同じことを言うように脳や頭がなってるわけ?・・誰か教えて欲しい。
そりゃ、恐怖の最終試験が近付いてきて、緊張しまくっていた私に対し、ムーちゃんが言い放った時とは話が違う・・・(あームーちゃんにもよく怒られたっけなぁ・・涙目)。だけどよりによって同じ言い方しなくたっていいじゃないか、私のトラウマをくすぐるな、Aのばか!!!乙女心は傷つきやすいんじゃ!!くっそー。くっそー。みんなして同じセリフで怒りやがってー。どうして他人にストレス発散系フランス人はこうなんだろう。始めはあんなに優しかったAなのに・・・近頃はこれである。しかも自分のミスは絶対認めないし、ごめんなさいなんて口が裂けても言わないの・に!
私が(他人から見て)言いやすいのかなぁ・・・。そりゃさ、普通の数倍勝手に傷つきやすくって、繊細なのは理解してるけど、近頃てんで、Aにもて遊ばれている。。困ったなぁポーズも、びっくりして警戒して振り向いた私の顔も、なんだか私の日本的な面全開で・・。フランス女のようにポーカーフェイスで対応できたらいいんだろうけど、やっぱり私は日本人、それも日本の女の子なので、こうしてトイレや非常階段で一人落ち込むしかできないのであーる。この抜けた私に、どうやってポーカーフェイスで対応しろと言うのだろう、フランスの神様は。そっと教えて欲しい。
その日のお昼は、近くで同じ業界の会社にて(つまるところ競合他社、でも相手が大手過ぎてたちうちできない)で働いている、ドイツ人の友達(過去にも写真で登場)と食べた。インドかパキスタンの人がやってるカレー屋さんにて。待ち合わせの瞬間から、疲れているのを見破られてしまって、ほとほと申し訳なかった。「最近働くっていうことにももちろんだけど、フランス人と仕事するのがどれだけ大変か、やっと分かってきたような気がする」と言うと、彼はドイツ人だからかフランス人の悪口を聞くのがおもしろかったようで(笑)、楽しんで聞いてくれた。彼がドイツ人だからか、まるで背後に森が見えた。・・冗談抜きで。「○○○○(彼の名前)・・・背中に森が見えるよ。お昼のたった1時間だけど、ものすごく癒されるよ」と言うと、「モリゾーだからね」と笑わせてくれた彼である。帰りも、いい散歩になるからと言って、私の会社の前まで送ってくれた。「マリ、フランス人に負けないで!僕も会社のフランス人に話しかけると、たまにすごく機嫌悪くてびっくりすることあるの」って、同じ悩みかーーい(笑)。あーなんて優しいのー。なんでドイツの人は、みんなみんな心の底からあったかい感じがして、そしてほんとうにほんとうに優しいのー!次はドイツ企業で働こうかしら(違う)。ドイツの人と働く大変さもきっとあるんだろうけど、なんなんだろう。興味が出てきた。常に完璧さとか整合性を求められるとか?うーん。そっちの方がいいな・・・。
いつ、Aは機嫌悪いスイッチが入っているのか、その10回に1回だか5回に1回だかが読み取れればいいのに。こうなったら、目に見える赤いスイッチか何かをデスクの前に置いてもらって、ほんとーに機嫌の悪い時にはそのボタンを押しといてもらうとか、何か対策を取ってはもらえぬものか。
そこで考えてみた。
私ができそうなAの対策その? 顔が同じムーちゃんに相談する(でもまたこれで怒られそうだからやめておく。怒られ損になるじゃないか。。)。
その? 鏡に向かって、警戒心のない余裕の笑顔を作り、背後に突然現れるAに対応する練習をする。
その? 感じのいい、BonjourとSalutの言い方を研究する。
(余談だが、Aは私が話しに行くと、いつもヘッドフォンで音楽を聞いていて(あ、うちの会社は音楽聞きながら仕事してオッケー)、「Salut、あのね・・」と話しかける前に"Oui!"で返答をくれるんだけど。YESで返す、って。これ普通?)
?と?は、早速昨日の夜、お風呂に入る前にやってみた。だけどどの顔にも悲しみが現れていて(なんと傷つきやすい私の心よ・・・・)、どれもあえなく失敗に終わった・・・・。おかげで溜めていたお風呂のお湯は、なんと水であった。ざっぱーーん そこまでAのことで頭がいっぱいかよ・・・・脱力して栓を抜き、今度はちゃんとお湯と確認して、溜めた。足の指が冷たくなっていた。
なんだか最近、まるで恋でもしてるみたいに職場の人間関係(主にAのこと)について頭を悩ませている私である。
あー、恋だったらよかったのにー!
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まぁ彼も、パリにある本社の人間からいじめられているらしいので(情報通の先輩から聞いた。ほんとかは知らない)、きっとAも大変なんだろう。あ、ちなみにこのAとは、前に下の方にちょろっと登場したけど、半分チュニジアの血が入ったパリ人である。だからアラビア語も話せる。タイのビジネス学校かなんかに通ってMBAを取り(おかげでアジアに詳しい)、パリにいた頃にはパリ市内に実家があるにもかかわらずマレに住み(しかもロジエ通り!)、現在東京では、恵比寿・代官山間にある66?の部屋に住み(C'est mon genre de cartier!と言い放った。一体どんだけ給料を家賃につぎ込めるんだ。。)、過去には韓国の会社でも働いていたり、日本ではヴィトンなりソニーなりにいたとか言う、まったく経歴不詳の、毎日違う服と眼鏡(ゆうに30個は持っている)で現れる、superおしゃれな、頭のいい、そう、顔が誰かさんそっくりなあの人だ。。。。。ったく、スターバックスが好き(そう)だという、もしやフランス人のくせしてアメリカ好きか?な点以外(ムーちゃんは超アンチアメリカ)、全部一緒なんですけど。
はー。そりゃさ、顔のことは私側の完全なる私情さ。そりゃ分かってるさ。ちょっと話さないといけない度に、冗談抜きで誰かさんそっくりだからどきまぎしてしまうのは私のせいさ(だってほんとーーにそっくりなんだもん!フランスの神様のいじわるか!フランスの神様は、こんなところでも私をもて遊ぶのか!)。だけどさ、なんだか最近、10回に1回、話しかけると機嫌が悪いような気がするのは、気がするでは済まないよーな気がする気がするの(結局のところ、確証はない・・)。なぜだろう。私の話しかけ方や、フランス語、ましてや質問の仕方が悪いのかなぁとまで考えてみた。だけど、やっぱり10回に1回、いや、5回に1回くらいの割合で(増えてるやん!)Aはほんとうに別人のようになっている。。どうして必要以上にきつい言い方で返されないといけないんだろう、かわいそうなあたし・・・・。こないだは、もうびっくりしちゃって言い返せなくて急いで非常階段へ駆け込んじゃったよ。プリントで顔を隠していたけれど、涙が止まんなかったよ。そしたら同じ会社の誰か(名前分からない・・)が入ってきて、び・・っくりしてたよ(驚かしてごめんなさい。でもこれもAのせいなんです!)。その後、そのびっくりさせてしまった人はどこの部の人か無事判明したわけだが(こっそり探した)、未だに名前は知らなけりゃ話したこともないとゆーオチ。
まぁ、すれ違う度に心の中でしっかりお詫びしておりますけれども。そんなことより私を悩ますAである。
もう、なんなのあいつ・・・。入社当時はもっと優しくなかったかい!?もっと笑顔を見せてくれなかったかい、Aよ!!しかし最近はなんだ。なんだなんだ。わたしゃ初めて、あんなにくにくしい言い方で「ぷりおりて(優先順位)」と言われたよ。まるでこっちがフランス語分からなかったかのように(分かっとるわい!だからこんなに悩んどるんじゃ!)・・。Aはその時、ものすごいこわい顔してたよ。えぇ、血も涙もなくてけっこう。どうせ仕事場だけの関係ですから。『友達になれそう!すごく気が合いそう?』と感じた私がバカだった。Aは超おしゃれさんなので、私のmiumiuのバッグ(えぇ買ったさ!買ってやったさ!)に対して例に漏れずつっこんできたって、私がmsnのアイコンにしてるギャド・エルマレの写真に対してつっこんできたって、『わー同じ話ができる 彼も好きなんだ!』と喜んだ私を、まるであざ笑うかのように・・・最近冷たいAよ。なんなんだ一体。え?
昨日は、『あーこれまた頭の痛いことがやって来るわ、某S社から・・』と思って、Aに伝えに行った私は、思想だけでなく行動にさえもその困ったわ感が出ていたらしく、無意識に、左手を左の頬に当て、なんとなく斜めになったままAのところへ向かっていたらしい。するとAは言った。頭の痛くなることを皮肉るより先に(そう、Aも誰かさんに負けず標準的なフランス人と同じく超超皮肉屋である)、私のそのポーズを見て!なんと真似してきたのである。「おーららーー(とよくフランス人が言うあれを言ったかと思えば)マリ困っているね?困ったね。どうしたの?あん?」だったかな、瞬時にムカついたのでもう忘れたけど(私の勝ちだぜ!ふんっ!)。Aよ。君はもしかして、好きな子をいじめるタイプかい?
それから昨日は、私の背後に気配もなくすっとやって来ては、私は背中を向けているのですぐに気付かず、私の向かい側で仕事している先輩が、「まりちゃんまりちゃん!A来てるよ」と教えてくれた。彼が私のとこに来る時はいつも何か「悪い知らせ」がある時だけなので、何かと思って警戒しつつもびっくりして振り返ると、Aは言ったのだ。
「なんで君はっ、いっつも僕が来ると怖がってるの!あ!?・・・知らせがある(とここで冷静さを取り戻すA)」。
そして私は言った。『負けてはならん!負けるなマリ!言い返せ!』「だってあなたが来る時は、いつも何かしらある時でしょ!」向かい側にいる先輩が拍手している。言ってやったり!私「それで、何?どうしたの?知らせっていい知らせだといいけど」。A「ばーーん(とフランス人がよく言うあれ)、素・晴・ら・し・い知らせだよ。S社が(以下省略)・・・・・・・」と話し出して、ことなきを得たのだけど(?)、もうなんなんでしょうね。「なんでマリはいっつも僕が来ると怖がってるの!あ!?」ってフレーズさ、顔が同じ誰かさんにも過去言われたセリフなんですけど・・・・・・・・・・・・・・・・これって偶然?それともやっぱり、顔が同じ人は同じことを言うように脳や頭がなってるわけ?・・誰か教えて欲しい。
そりゃ、恐怖の最終試験が近付いてきて、緊張しまくっていた私に対し、ムーちゃんが言い放った時とは話が違う・・・(あームーちゃんにもよく怒られたっけなぁ・・涙目)。だけどよりによって同じ言い方しなくたっていいじゃないか、私のトラウマをくすぐるな、Aのばか!!!乙女心は傷つきやすいんじゃ!!くっそー。くっそー。みんなして同じセリフで怒りやがってー。どうして他人にストレス発散系フランス人はこうなんだろう。始めはあんなに優しかったAなのに・・・近頃はこれである。しかも自分のミスは絶対認めないし、ごめんなさいなんて口が裂けても言わないの・に!
私が(他人から見て)言いやすいのかなぁ・・・。そりゃさ、普通の数倍勝手に傷つきやすくって、繊細なのは理解してるけど、近頃てんで、Aにもて遊ばれている。。困ったなぁポーズも、びっくりして警戒して振り向いた私の顔も、なんだか私の日本的な面全開で・・。フランス女のようにポーカーフェイスで対応できたらいいんだろうけど、やっぱり私は日本人、それも日本の女の子なので、こうしてトイレや非常階段で一人落ち込むしかできないのであーる。この抜けた私に、どうやってポーカーフェイスで対応しろと言うのだろう、フランスの神様は。そっと教えて欲しい。
その日のお昼は、近くで同じ業界の会社にて(つまるところ競合他社、でも相手が大手過ぎてたちうちできない)で働いている、ドイツ人の友達(過去にも写真で登場)と食べた。インドかパキスタンの人がやってるカレー屋さんにて。待ち合わせの瞬間から、疲れているのを見破られてしまって、ほとほと申し訳なかった。「最近働くっていうことにももちろんだけど、フランス人と仕事するのがどれだけ大変か、やっと分かってきたような気がする」と言うと、彼はドイツ人だからかフランス人の悪口を聞くのがおもしろかったようで(笑)、楽しんで聞いてくれた。彼がドイツ人だからか、まるで背後に森が見えた。・・冗談抜きで。「○○○○(彼の名前)・・・背中に森が見えるよ。お昼のたった1時間だけど、ものすごく癒されるよ」と言うと、「モリゾーだからね」と笑わせてくれた彼である。帰りも、いい散歩になるからと言って、私の会社の前まで送ってくれた。「マリ、フランス人に負けないで!僕も会社のフランス人に話しかけると、たまにすごく機嫌悪くてびっくりすることあるの」って、同じ悩みかーーい(笑)。あーなんて優しいのー。なんでドイツの人は、みんなみんな心の底からあったかい感じがして、そしてほんとうにほんとうに優しいのー!次はドイツ企業で働こうかしら(違う)。ドイツの人と働く大変さもきっとあるんだろうけど、なんなんだろう。興味が出てきた。常に完璧さとか整合性を求められるとか?うーん。そっちの方がいいな・・・。
いつ、Aは機嫌悪いスイッチが入っているのか、その10回に1回だか5回に1回だかが読み取れればいいのに。こうなったら、目に見える赤いスイッチか何かをデスクの前に置いてもらって、ほんとーに機嫌の悪い時にはそのボタンを押しといてもらうとか、何か対策を取ってはもらえぬものか。
そこで考えてみた。
私ができそうなAの対策その? 顔が同じムーちゃんに相談する(でもまたこれで怒られそうだからやめておく。怒られ損になるじゃないか。。)。
その? 鏡に向かって、警戒心のない余裕の笑顔を作り、背後に突然現れるAに対応する練習をする。
その? 感じのいい、BonjourとSalutの言い方を研究する。
(余談だが、Aは私が話しに行くと、いつもヘッドフォンで音楽を聞いていて(あ、うちの会社は音楽聞きながら仕事してオッケー)、「Salut、あのね・・」と話しかける前に"Oui!"で返答をくれるんだけど。YESで返す、って。これ普通?)
?と?は、早速昨日の夜、お風呂に入る前にやってみた。だけどどの顔にも悲しみが現れていて(なんと傷つきやすい私の心よ・・・・)、どれもあえなく失敗に終わった・・・・。おかげで溜めていたお風呂のお湯は、なんと水であった。ざっぱーーん そこまでAのことで頭がいっぱいかよ・・・・脱力して栓を抜き、今度はちゃんとお湯と確認して、溜めた。足の指が冷たくなっていた。
なんだか最近、まるで恋でもしてるみたいに職場の人間関係(主にAのこと)について頭を悩ませている私である。
あー、恋だったらよかったのにー!
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