Previously, mari's paris life


"La France traverse une phase de vulgarite. Paris, centre et rayonnement de betise universelle" - C. Baudelaire :p
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ぼや騒ぎ
3月のことだけど、記憶に残ったので書いておく。




とある日曜日、0時頃。『また明日も仕事だな… そろそろ寝るか』とベッドの上でストレッチをしていた頃。

建物の階段を、何度もバタバタと往復して、走り回っている音がする。『何…?騒がしいな。忘れ物でもしたのかな。でもこんな時間に?それとも泥棒?』と思っていると、そのうちなんと私のドアのベルが鳴る!


パジャマだし、びっくりして、ベッドの上から動かずに、そのまま「誰〜?何ですかー?」と叫ぶと、声が聞こえたようで、ドアの向こうから、「こないだ会った四階の○○ですけど…。なんか何かが燃えてるような匂いがして、ここからですか?」と言うではないか!!



びっくりして、慌ててドアを開けると、確かにこないだ、三階でフランスで生きていく上での定番、「ザ 水漏れ」があり、数日間断水があったのだけど、その時会った女の子。四階も断水になって、大変だったらしい。しかも借り主でなく、持ち主だから、組合の会議に出ないといけないけど、仕事だから出られないと言っていた。(『えー、それは仕事休んででも出た方がいいのでは…』と内心思う私)



「なんかどこからか焦げ臭い匂いがして…。絶対どこか燃えてると思うんだ。前に二回、まだ別のアパートに住んでた時もこんな匂いがして、二回ともぼやだった。だから絶対に!安心して眠れないの」って嘘でしょー?!


「えっ、えっ。私さっきドライヤーで髪乾かしたけど、私のドライヤー古くって、使った後ちょっと焦げ臭い匂いするけど、そのせいかな?!」となぜかとんちんかんな回答をする私。(今思ってもおかしいだろう…)


その子も私の回答に『えっ、いやドライヤーなんかじゃないでしょう、絶対に焦げ臭い匂いがするんだってば』という戸惑いを隠せないようだったが、ほんとにぼやなら大変だ!!と、「そう、じゃあここじゃないのね」と言って、パジャマでまたも走り回る!


「管理人さんのところにも行ったけど、いなくて。まったくどうなってんのかしら、絶対どっかで燃えてると思うのよ」って本当にどこかで燃えてたら大変だ!!私もそわそわ、万が一のことを考える。



「ちょっと通りに出て、外から建物見てくるわ!何か分かるかもしれない。上の階かもしれないし」と、その子は急ぎ足で出て行ってしまった。私も窓を開け、その様子を見守る。


「どう?!何か燃えてた?!」「うーん… 5階でね、何か黄色い、赤い光が見えるんだけど… 照明だといいわね、分かんない」ってオーーイ!!この建物の5階かい?!



もしほんとに火事になったら… てか5階の人は家にいるのか?!留守中に燃えているのか?!5階から1階まで火が回ってくるのは、あっという間ではないのか?!といろいろなことを考えるも、いまいち確証がなく、二人ともどうしたものか… とそのまま踊り場で右往左往していると。



私と同じ、一階の、正面の部屋に住む男、長身がふらりと帰ってきた。その子が状況を説明すると、

「えっ… ちょっとうちかもしんないから、一応確認してくる」と言うではないか。まさか正面で燃えてるの?!てか心辺りがあるんかーーい 煙草の火の始末はちゃんとしろー、ちゃんとしてくれーーと呆然としていると、「違う。うちじゃなかった。何も燃えてない。大丈夫」と言ってすぐに出てきたので、ほっ!


『じゃあ一体どこから…』と、三人で頭をかしげていると、またも私のお隣に住む、アフリカ系の美女が帰ってきた。


とっさに状況を理解した彼女は、「あぁ火事ね、ほんとにあるけどここじゃないよ!この先の通り!ほんとに燃えてる。上の階から火が出て、もうアパートめちゃめちゃ。どろどろ溶けてる。消防士も来てるし、道路も通行止めになってるよ。そのせいで車だから、彼がここまで送って来れなかったの。でも、ここじゃないよ!!」(と強調して言う)


やっぱりーー!! でも別の通りか。。とにかく建物の中でなくてよかった。。火事のあったアパートに住む人々が、何もなかったことを祈ります。。が。


火事って怖いねー!!ぼやって怖い。その子の咄嗟に感じ取った嗅覚に感謝、感動!

その夜特に、風が吹いていたので、その風が近くのひのこを飛ばしてきたんだろうな。




「よかった!どこか分かって安心したね。ここじゃないって!」と四人、顔を合わせて、「ではおやすみなさい。Bonne soiree」と言ってそれぞれ家に帰った。どんなに遅い時間でも、Bonne soireeと言う。w

その力合わせ、一緒にバタバタとする様子が、なんだか日本でマンションに住んでいる時には見られないような、心温まる一幕だったので、まるで映画みたいだな、と思う。こんな風にお隣さんと協力し合い、困った時はお互い様。




フランスですごくいいなと思うことの一つに、すれ違う人、会う人に必ず挨拶する、挨拶はすごく大事な習慣、ということがあるのだけど、同じ建物に住むお隣さん、ご近所さんとも、すれ違えば必ず"Bonjour"と挨拶し、顔を合わせる。


そうすることで、大体ここにはこんな人が住んでるな、と把握することが出来るし、断水の時も、「シャワーも浴びれない。洗い物も出来ない」と非常に気の毒だったので、さすがにシャワーは無理でも、洗面器に水を溜めて往復する様子があまりにも不憫だったので、「もしよければうちにも水取りに来て下さい!一階だから、完全に外に行くよりは少しましだろうし」と、私も声を掛けたのだ。


同じアパートに暮らすというのは、助け合いで、もちろんパリだって大都会なわけで、たまたま私の住んでる地区や、アパートがいい人に恵まれた、こうして困った際、気軽に声をかける精神が出来ている、そんな偶然かもしれないけれど、その温かなつながりに、こちらまで心温まる。


一時はほんとにぼやかも、と恐怖に身構えたけど、無事火元が分かり、安心して眠ることが出来た。みんな同時に、「ではおやすみなさい」と言って部屋へ帰った。4階の子は上へと上がった。普段そんなに顔を合わすことはなくても、こんな隣人が住んでいて、いざとなれば助け合うことが出来る。Solidarite。いろいろなシーンによって使われる言葉で、社会的・政治的な意味合いだと必ずしも好きではないニュアンスもあるけど、この瞬間、まさにこの言葉を思った。それからまるで、film italien。(バタバタと騒がしく、賑やかな日常の様子を表す)


ぱたん。ドアの閉まる音。おやすみなさい。安堵に包まれて、日曜の夜が更けていく。


mari











フランスで働くの巻 comments(1)
猫のいる生活、再び。
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またも習字の先生の猫ちゃん、はなちゃんがうちに来ています。やっと1歳になった様子。3月も一週間お預かりして、4月は二週間。とってもよい子で私も嬉しい。


夜になると暴れ回るので、こちらも寝れず、始めは辛かったけど、きっと日中ずっとアパートの中にいるせいで、退屈して、運動が足りないんだな!と思って、おとといお昼休みに、近くのカルフールで猫じゃらしを買って帰って、それから20分ぐらい縦に横にと遊んであげると「ぜぇぜぇ、はぁはぁ…..」と疲れている!!XD

こんな姿初めて見た。それ以来、おかげで夜ぐっすり寝てくれるようになりました(笑)。


はなちゃんはとっても甘えん坊で、寝る時も私の上で寝ようとしたり、腕枕で寝ようとするのでかわいい!!(すいません、親バカで…..。おかげでiPhoneのアルバムの中、えみちゃん(姪っ子)もしくははなちゃん(猫)の写真しかないです、最近。w)


今回は連れて来る前にちゃんと爪も切ってもらったので、猫パンチされても平気だぜーい。ふわふわの手が飛んできて、気持ちいいくらい。





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『なんか今日は急に運動させられたらから疲れたな…』と言って、ソファーの下に身を隠して休む、はなさん。前足が丸いのがまたかわいいんだよね!!





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私は二階(フランスで言う1階)に住んでるんだけど、こんな風に一応庭向きの部屋で、おかげで夜静か。よく眠れて有り難いです。前は賑やかな通り沿い+すぐ下にカフェがある+みんな飲んだくれる=超うるさい!で、ものすごーーくうるさかったので。まぁ住んでたらそのうちに慣れましたが。。慣れって恐ろしいね。


この写真ではちょっと分かりづらいけど、正面から入るとコの字型、箱形の中庭がある。Aから確かF棟まであるので、たくさんの人が住んでいるし、1700年(!)施行ということを考えると、昔は一体どんなお屋敷だったんだろう〜?とまたも想像を膨らましてしまいます。

この箱庭に馬車を停めたのかな、とかね。そしてフランスの、建物の持つ長さよ...(笑)。


18世紀初頭に建った建物が、21世紀の今も平然と使われているという…。須賀敦子さんも著書の中で書かれていたが、ヨーロッパに住むというのは石と共存することで、石灰分の多い水を飲み、石畳の固い、道路を歩く。住んでいるとそのうちその石が、自分の体の中に入っていくような感覚を覚える、という文があったけど、これは本当によく分かる。


その石が自分の体に中にすっかり入ってしまって、日本に帰国するとなると、まずこの石を体の外に出さねばならないという戸惑い、ともあったかな。この戸惑い、石がすっかり体に入り込んでしまっているという感覚、妄想も、本当によく分かるのだ。


それに比べて日本は四季、移り変わる、木の文化なので、寺院やお城を除けば、18世紀初頭に建てられた住まいに、今も住むことが出来るだろうか?住み続けることが出来るだろうか?おそらく無理だろう。



***



私の部屋の窓の下が、ちょうど管理人さんのオフィスになっていて、こんな風に屋根があるので、はなちゃんは窓からぴょんと出て、ここに下りるのが好き。

猫って高いところが好きで、上からものを見るのが楽しいらしいね!なのでたまにここに出れるのは、最適かも。飛んで下りて、また飛んで上がってといい運動になると思うし。

はなちゃんがここから、こっそり外行く人の様子を見ているのを、こっそり部屋の中から見るのがまた面白いです(笑)。



mari
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Venice - Beyond expectations
Venise, mars 2014
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